第544回 ファイバーコアとは?①
コアは歯科用語で「支台築造体(しだいちくぞうたい)」といいます。
字の通り「歯を支える台」のことです。 虫歯になった部分を取り除き、根の治療が終わった後は、クラウン(かぶせもの)を支える台としてコアを入れる必要があります。 コアの素材は従来金属でしたが、最近では最新のグラスファイバー系素材 「ファイバーコアポスト」を採用することで、より美しく、自然な仕上がりになります。 ファイバーコアポストは、細いグラスファイバーの繊維を樹脂で固めたピンのような材料です。このピンを補強材にし、その周りに歯に色に似たグラスファイバー強化型樹脂でコアの形に整えます。 |
☆ファイバーコアポストの特徴☆
ファイバーコアポストは天然歯に近い透過性があり、金属コアのような影がでにくい素材です。また、金属の色が歯肉を透過して見える黒ずみの心配もありません。 コアからクラウン(人工歯)まで、金属を一切使用せず治療できるので、金属アレルギーの方でも安心です。 歯には、食事の時や歯ぎしり・食いしばりの時など毎日いろいろな方向から強い力が、かかっています。金属の場合は、丈夫ですが硬すぎるため、十分な歯質が残っていない歯では、強い力がかかった時に歯が割れてしまうことがあります。 このような場合、歯の保存が難しい割れ方をすることが多いため、抜歯になる可能性が高くなります。 ファイバーコアポストは、硬さやしなりぐあいが歯と似ているので、歯が受けとめる力を分散して破折のリスクを減らすことができます。