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第543回 よく噛むことのメリット

よく噛んで食べなさい!1度は誰でも言われたことがあるかもしれませんが、何回くらいがよく噛んで食べることになるのかはいろんな定義があるので一概には言えませんが、1口30回という意見が多数のようです。

食事の際噛む回数を増やすだけでたくさんのメリットがあります。

■虫歯予防■
 虫歯はミュータンス菌などの虫歯菌によって起きますが、唾液には虫歯菌が作る酸を薄める働きがあるのです。よく噛んで唾液がたくさん出れば出るほど細菌感染も抑えられ虫歯・歯周病になりにくい口腔内の環境ができます。

■身体全体のアンチエイジング
 唾液には様々な成分が含まれていますが若返りホルモンと言われているパロチンや、歯の再石灰化をする為のカルシウムやリン酸も含まれています。
パロチンは唾液に含まれる成長ホルモンの一種で、骨の発育を促進する効果、皮膚の新陳代謝を活発にして肌トラブルの原因のひとつである肌老化の防止効果などがあります。
カルシウムやリン酸は、再石灰化といって食べることにより酸によって溶かされたエナメル質を元に戻してくれる効果があるなど、身体全体の再生に噛む事によって分泌される唾液の成分を得られます。

■免疫力アップ
よく噛んで食事が適量になってくると、充分に吸収され効率よく消費するので、胃腸の負担が少なく、身体は疲れにくくなり、元気が出てきます。
またよく噛むことで唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素が働きます。食べ物の消化を手助けしてくれるので胃や腸、体全体が使用する酵素量を節約することができ、節約した分は体を維持するために使われるため、自然免疫力が高まります。

■食べすぎ防止
お腹が空いているとついつい早食いになってしまいますよね。そんな時なぜ食べても食べても中々お腹いっぱいにならないのかというと・・・噛む回数を増やすと唾液の分泌が良くなり、唾液の消化酵素(アミラーゼ)が食べ物を「糖」に分解します。
糖分は血液に吸収されるので、血糖値が上昇し今までよりも早く(正常に)満腹中枢が刺激されます!そうすると「お腹いっぱい」と感じるので、食べる量は早食いの時より少なくても満腹感を得られます。

■脳の活性化とリラックス
噛む事によりあごの運動が筋肉の刺激となって脳に伝わり、脳の働きを活性化してくれます。
また咀嚼(そしゃく)を繰り返すリズムがセロトニン神経を活性化させます。セロトニンとは脳内で作られる神経伝達物質の一つで主な働きは心のバランスをとり精神を安定させることで、自律神経のバランスを整える働きもあります。このセロトニンが増えることにより、心はリラックスし集中力が高まります。

食べる時の注意点・・・水分をとることによって唾液の分泌量が減るので、食事中唾液をたくさん出すためには水分を摂りすぎないで下さい!また片側ばかりで噛んでいると顔の歪みの原因にもなるので、両側なるべく均一に噛んで食べてくださいね。

楽しく美味しくたくさん噛んで食べるには何よりも健康な口腔内環境が必須なので、日々の口腔ケアを大切にして下さいね。そして食事にかける時間を今より少しずつ増やしてみてはいかがでしょうか。

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