第476回 歯が完全に抜けたときどうする?
歯が抜けた時に、大切なことは歯を乾燥させずに、湿ったままの状態で歯科医院へ急ぐことです。
歯を包むように歯茎と歯槽骨に埋もれている部分を歯根といいます。
この歯根の表面を被って歯をしっかりと歯肉と歯槽骨に固定してくれているのが歯根膜です。
この歯根膜は、乾燥に弱くそのまま放置すると約20分ほどで死んでしまい、
治療が困難になります。
それではどうしたらいのでしょう?
具体的には、水道水の流水下で10~20秒すすぎます。この時、30秒以上水にさらしてはいけません。洗いすぎると、歯根膜の繊維を取り去ることになるからです。そして、たとえ汚れが付着していても絶対にアルコールや石けん、食塩水などで洗ってはいけません。水だけで洗い流します。
また、手で持つ時も感染の原因になるので歯の根っこの部分は持たないようにしましょう。
歯科医院を受診するまでの間の歯の良い保存方法としては…
・歯牙保存液につける
・牛乳(脂肪分の少ないもの)
・生理的食塩水
・唾液(口の中の頬、舌下の部分)
なお、保存液として牛乳を使用した場合6時間前後、歯牙保存液の場合は、24時間から48時間くらい歯根膜を保存できると言われています。歯が抜けた時、大切なことは歯を乾燥させず湿った状態を保つことです。
そしてできれば、30分以内に歯科医院に行きましょう。
30分~1時間以内に治療すれば、歯を元通りの状態に戻すことができます。
そして、歯科医院では「いつ、どこで、どうしたのか?」をしっかりと説明しましょう。