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第321回 それでもタバコを吸いますか?~歯周病とタバコ~

歯周病の危険因子には、
歯の形態・噛み合わせ・口の中の衛生状態などの
局所的因子と、
食生活・ストレス・加齢・喫煙などの全身的因子があります。

中でも、喫煙は歯周病の危険因子として際立ってハイリスクです。
ヘビースモーカーほど歯周組織の破壊(歯肉付着部の崩壊、歯槽骨※の吸収)は急速に進みます。
 ※歯槽骨・・・歯を支えている骨のことで、表面は歯肉に覆われています。

では、タバコに含まれるニコチンの為害作用と歯周病とのかかわりについてみてみましょう。

 ニコチンによる免疫細胞の能力低下⇒歯周病への抵抗力低下

 ニコチンの細胞毒性、血管収縮作用⇒歯肉が炎症を起こしても出血が抑えられ、
   歯周病の症状のひとつであるプロービング※による出血が隠されてしまい、
  気付かないうちに歯周病が進行
してしまう事が多い。
   ※プロービング・・・プローブという目盛のついた細い検査用の器具で歯と歯肉の境目の深さを測ること。

 ニコチンとセメント質※との結合性⇒ニコチンとセメント質は結合性が良く、
 スケーリングやルート・プレーにング※をいくら行っても、喫煙が継続していると治療効果が台無しになる。
   ※セメント質・・・歯根の表面を覆っている。
   ※ルート・プレーにング・・・歯面、とくに歯根面をスケーラーやキュレットという器具で綺麗にすること。

こうしたことが歯周病の悪化をまねきます。

1日に20本以上タバコを吸う人は非喫煙者に比べて5倍歯周病にかかりやすく、
歯の寿命が10年短くなる
、というデータもあります。

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