第97回 インプラント治療中の仮歯
今回、来院された患者様は、インプラント手術後、入れ歯を仮歯として使用していましたが、歯肉の変化などにより、入れ歯が安定しないことを主訴として来られました。
インプラント1次手術後、3~6ヶ月の治癒期間をおき、インプラントと骨が強い力で結合し、歯肉の回復も見られます。
(青矢印)
しかし、まだ結合に不十分なところ(黄矢印)があるため、もうしばらく入れ歯を使用してもらうことになりました。
入れ歯を固定させるためにまず、青矢印のインプラント体に歯肉がかぶっていた部分にレーザーを照射して除去しました。
2次手術と呼ばれる治療です。
インプラント体の頭の部分に装着しているキャップが見えるようにします。
全体のインプラント体の頭の部分に磁石(赤矢印)をつけました。
インプラント体には、磁石の他にも、いろいろな中間部分(アバットメント)が用意されています。
材質も、形状も既製品からオーダーメイドまで用途に合わせて使い分けます。
入れ歯の裏側にも同じような磁石を取り付けることで、磁石により入れ歯を安定させるようにしました。
あくまでも、これは一時的なものであり、インプラント体が骨や、歯肉にしっかりと固定されるまで使用してもらうものです。
インプラントをすることで、骨や歯肉との結合に時間がかかってしまうという欠点はありますが、その間にも決して歯がない状態がないようにしています。