第68回 診療ナビゲーション・・・⑥(親知らずの難抜歯)
先週の土曜日(7月23日)、Tさんの親知らずの抜歯が行われました。
歯科用語では、”逆性埋伏歯”と呼ばれる稀な埋まり方をしているケースでした。
当医院の院長は、倉敷の総合病院で歯科医長としての勤務経験があり、設備的な問題や患者さんの全身疾患な問題で抜歯できない場合を除いて、全ての抜歯を含めた外科処置が可能な体制を取っています。
術前のレントゲン写真です。
”逆性埋伏歯”と呼ばれる上下が逆さまに埋まっている状態でした。
埋まっている歯の抜歯は、ケースによりますが、手技的になかなか難しい場合があり、経験がものをいうそうです。
Tさんは、”入れ歯があたって痛い”と言われて来院されました。
口腔内をよく診ると、小さな穴が開いていて、周囲の歯茎を押さえると、その穴から膿がでる状態でした。
切開したところです。
親知らずの歯冠部(頭の部分)の一部が見えました。
しかし、全体像は全く見えず、周りの骨の中に埋まっている状態でした。
周囲の骨を除去して、埋まっている歯牙を取り出しているところです。
抜歯直後の状態です。大きな骨の欠損になっています。
レーザーを照射、蒸散して、感染源を絶つことにより、傷口の治りが早くなります。
また、術後の痛みや腫れも最小限ですみます。
抜歯された歯牙です。感染を起こした歯茎(不良肉芽)が歯根面に付着していました。
咬む(咬合)面は、大きな虫歯になっていました。
Tさんに見せると、”こんなに大きな歯が、しかも虫歯になって埋まっていたんですねー”とびっくりしておられました。
縫合が完了したところです。必要最小限の浸襲で済みました。
手術時間は約30分ほどでした。
Tさん曰く、”もう抜けたんですかー”との感想でした。
私たちスタッフが言うのもおかしいかもしれませんが、院長は手先が非常に器用だと思います。
腕の良い歯医者の一つの目安に、”職人的な手先の器用さ!”は欠かせないと、私はいつも思っています。
余談ですが、待合室のおもちゃが悲惨な壊れ方をした時も、院長が結構簡単に直しちゃいます(笑)。