たばこと歯周病について
たばこ煙には・・・
・4000種類の化学物質
・200種類の有害物質
・37種類の発がん物質が含まれています。
その中でも三大有害物質であるニコチン・タール・一酸化炭素は皆さんご存じだと思います。
①ニコチン
たばこの葉に含まれる毒性の強い物質です。青酸カリに匹敵する強力な毒物です。たばこを吸うとニコチンは短時間に肺から吸収されて全身を回り、6~7秒で脳に達します。
煙を吸い込むだけでなく皮膚からも体内に吸収されるので、たばこを吸わない人にも影響が及びます。
②タール
たばこの葉が燃える時に発生する黒褐色の液体で、歯の表面付着する「ヤニ」として知られています。
粘質性が高く、水にほとんど溶けないため、歯面や気管、気管支、肺などに沈着すると、体外に排出されにくくなります。
多くの発がん物質が含まれています。
③一酸化炭素
酸素不足により不完全燃焼を起こすと一酸化炭素が発生します。
一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと結合しやすい性質のため、急激に摂取した場合、血液が十分な酸素を運搬することが出来なくなって酸欠状態になります。
たばこを吸うと…
ニコチンの血管収縮作用や一酸化炭素によるヘモグロビンの低下により、歯肉の血行が悪くなり、歯と歯肉への酸素や栄養がいきわたらなくなります。
その結果、歯肉の細菌の対する抵抗力が下がって歯周病が進みやすくなります。
喫煙者のお口の中は…
ニコチンの血管収縮の作用により出血や炎症反応が表れにくくなり、歯周病になっていることに気づかないことがあります。
歯面にはタールの影響でヤニが付着しやすくなります。
メラニン色素沈着により、歯肉が黒ずんできます。
このように喫煙によって生じるさまざまな要因が複雑に絡まりあうことで、歯周病が進行しやすくなるのです。
たばこをやめると数日後には、歯肉の血流の量が増えてきます。
さらに、1年後くらいから歯の喪失リスクが低下して、禁煙10年以上経つと 非喫煙者と同じレベルまで回復することがわかっています。
たばこは、肺ガンや脳卒中、心筋梗塞などの疾患の原因のなることはよく知られていますが、歯周病の進行に関わっていることはあまり知られていません。
自覚症状がないから大丈夫、歯は何本もあるから大丈夫と考えずに定期的に歯科医院でメンテナンスに通って、歯周病になっていないかレントゲンを撮ったり、歯周ポケットの検査を受けましょう。