歯科器具の洗浄と消毒と滅菌について
皆さんは洗浄、消毒、滅菌という言葉はもちろんご存じだと思いますが、それぞれの意味の違いをご存じでしょうか?
①洗浄
水や洗剤を用いて汚れ、体液、有機物などをきれいに除去すること。
②消毒
対象物から多数の微生物の除去をすること。
③滅菌
すべての微生物、菌などを死滅または除去すること。
歯科治療で使用している器具はこの洗浄、消毒、滅菌の順番で清潔な状態を保っています。
しかし、以前からメディアで取り上げられているように、他の患者さまの歯の削りかす、血液、唾液が色々な器具を介して感染を引き起こす可能性があるということです。
当院では、患者さまが安心して治療出来るようにさまざまな院内感染防止対策をしています。
<滅菌までの流れ>
・手洗い、超音波洗浄器で細かく洗浄
ブラシやスポンジに洗浄剤をつけて、器具に付いた唾液や血液を除去します。次に超音波洗浄器で、通常の手洗いでは落としきれない細かい汚れを取ります。
超音波洗浄器は、その名の通り超音波を発生させて、液体中に泡による衝撃波と水の分子を洗浄物にぶつけて、汚れを落とします。
目に見えない器材の細部まで短時間で洗浄することが出来ます。
・個別で滅菌用バッグに入れる
治療で必ず使用する基本セット(ミラー、ピンセット、探針、バキュームなど)を滅菌用のバッグに入れていきます。
器具の大きさに合うように色々なサイズを作り、一つずつパックしていきます。
・オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)で滅菌する
石井歯科クリニックでは、世界トップクラスと言われるヨーロッパ規格の
クラスBのオートクレーブを使用しています。
滅菌の強さはヨーロッパ規格でクラスB、クラスS、クラスNに分けられています。
クラスBだけがすべての形状の被滅菌物(固形、中空物、多孔体、一重包装、二重包装)を滅菌できるとされています。
歯を削るタービン類は、削りかすや唾液、血液などが機械内部に残ってしまいがちですが、クラスBのオートクレーブはタービンの複雑な内部まで確実に滅菌できます。
当院では、歯を削る道具類(タービンやコントラなど)は、一人の患者さまの治療が終わるごとに交換し、オートクレーブで滅菌しています。