第569回 歯髄炎とは
最近食事中に噛むと歯が痛いな…、虫歯の治療に行かないといけないのに忙しくて行けないな…そんなことが日常の中でありませんか?そういった症状や虫歯の放置で起こる炎症があるんです。
歯の中には歯髄という神経や血管などでできた場所があります。その歯髄が炎症を起こした状態を歯髄炎といいます。
歯髄炎は、歯髄に何らかの刺激が加わることによって発生します。冷たい水がしみたり、何もしていなくてもズキズキ歯の痛みがあるといった症状が出てきたら歯髄炎になっている可能性があります。症状が大きくなると激痛になる場合もあるので素早い対処が必要になります。
歯髄炎を引き起こす原因として、下記のようなものがあります。
①細菌感染
虫歯が大きく進行し歯髄まで及んでしまった場合や、歯周病の炎症が歯髄まで及んでしまった場合に起こります。虫歯などが無い健康な歯でも、他の部位の炎症細菌が血液により歯髄に運ばれ起こることもあると言われています。
②物理的刺激
外傷などによる歯の物理的損傷や、歯ぎしりやくいしばりなどでおこる場合があります。
③化学的刺激
歯髄と近接した歯科治療を行い、薬剤や材料の刺激によって起こることがありうす。深い虫歯だったり何度も治療を繰り返したりすると歯髄がダメージを受け、歯髄栄を起こすと言われています。時間をかけて回復することもあれば、自然に死んでしまうこともあります。
治療方法は下記の方法です
①消炎処置
歯髄炎の症状が軽い場合に行います。薬を用いて歯髄の炎症を抑えるようになります。虫歯がある場合はその部分を削り、薬剤をつめて歯髄に加わる刺激から保護します。しかし症状が軽くても炎症が広がり症状ひどくなった場合は消炎処置では対処できません。
②根管治療
歯や詰め物などを削り、歯髄を取り除いて清掃、洗浄、消毒を行います。根管治療によって痛みや炎症などが治まったら、根管に薬剤を詰めて被せ物や詰め物を入れることができ、再び歯の機能を取り戻すことができます。
下のレントゲン写真に写っている歯は虫歯が歯髄まで進行してしまっています。
痛みも大きく炎症がひどい状態です。
ここまで大きくなってしまった虫歯は歯髄の処置をせずに経過を見ることはできないので根管治療をすることになりました。
右のレントゲン写真は歯髄を綺麗にしてお薬を詰めている状態になっています。
歯髄炎を放置しておくと炎症が根のほうに行き骨を破壊していくようになってしまいます。早めの対処が必要なので症状があればすぐに治療に行きましょう。