第568回 TCH(歯列接触癖)をなおそう!!
以前にも記載したことがありますが、TCHとは上下の歯を持続的に接触させる癖のことです。
よほどの歯列不正がなければ、安静時には上下の歯はわずかに離れているのが正常です。
上下の歯が触れる時間が1日のうち20分以上ある事をTCHといいます!!
強い力で噛む『くいしばり』と違い、弱い力でも接触が持続すると弊害が起きると考えられています。
☆TCHの弊害
TCHをしていると顎関節症の原因になります。
その他にも・・・歯の摩耗・知覚過敏・歯根歯折・修復物の歯折・歯周病の悪化など
睡眠時ブラキシズム(歯ぎしり・くいしばり)の増加
肩こり・頭痛・腰痛などの全身疾患とも関係しているようです。
☆TCHをなおすには
TCHは無意識に起こる『 癖 』です。
癖なので自分で気を付けることができません。
特に何かに集中している時(細かい作業・パソコン・料理など)に起こりやすいです。
他人に指摘してもらうこともできません。
そこで・・・
強制的に気付かせるようにします!!10~20分毎に目に入るような場所に『歯を離す』と書いた
ポストイット(付箋)やシールを貼り、それが目に入ったら『歯を当てていないか』をチェックします
当てていたら歯を離し脱力して下さい!!
最低でも10枚以上は貼って下さい!!
トイレ・パソコン・テレビ・台所・鏡 etc・・・・目に入ればどこでもOKです♪♪
そして、それ以外の時間は『歯を離さなきゃ』と意識しないで下さい。意識は無意識に勝てません。
かえってストレスになりTCHが増加します。
続けていると1~2週間で歯を当てていることが減少していきます。
そして徐々に『歯が当たったら離す癖』が身についてきます。TCHという『癖』に対抗する
別の癖を獲得する事が目的です。
運転中などポストイットを貼れない場合は○○色の物が目に入ったら・時計を見たら・タイマー
をセットするなどご自身で工夫してみて下さい!
日頃診療をしていてもTCHの方は意外と多いです!!ポストイットを貼るだけで簡単に始められるので、まずは試しにやってみて下さい♪
もちろん医院で指導も行っていますのでお気軽にご相談下さい!!