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第21回 顎がゆがんでいる!!!

 矯正治療というと、歯の移動によって歯並びをよくすると考えがちですが、顎自体が大きく偏位していたり、著しく劣成長又は過成長している場合は、外科的な処置が必要になってくる場合もあります。矯正治療の目的に顔貌の改善は不可欠ですので、手術によってのみ劇的に良い結果をもたらされる症例も数多くあります。

 今回は、顎の偏位や成長異常に対して、どのように歯の移動と外科処置を組み合わせて治療を進めていくかについて、症例を挙げながら話してみたいと思います。

症例1

図Aの方は、下顎が顔の正中(黒ライン)に対し、左へ偏位した顔貌の非対称が認められます。このような場合、顎変形症が疑われます。

  顎の変形や偏位がある患者さんに対しては、歯の移動単独による矯正治療での改善は、困難を極めます。そこで、顎の左右、上下、前後の不均衡を是正するために、骨切り術骨の延長術を行うことが必要になります。図Bが術後です。顔貌が、左右ほぼ対称に改善されました。

 口腔内を見てみましょう。図Cが術前、図Dが術後です。左右のバランスがとれた口元に改善されています。

A

B

C

D

顎の偏位がある場合、顎関節に何らかの異常が認められることが多いです。顎関節症を併発している方もいますので、治療は慎重に行う必要があります。顎運動に問題があったり、顎関節症を併発している場合には、歯の移動による矯正治療を行う前に、マウスピースを使用して顎関節にとって一番安定した顎位の獲得を行います。その後、外科処置を含めた総合的な矯正治療を行います。

症例2

次の症例を見て見ましょう。図Eが治療前です。口を閉じた状態で顔貌の正中(黒線)に対し、下顎が左側へずれているのがお分かり頂けると思います。図Gが治療中です。外科処置をする前に上下の歯を別々に理想的歯列に排列します。顎自体の偏位は、外科処置(骨切り術)で改善させます。手術後に上下の歯の噛みあわせが緊密になるように歯の微細な移動によって最終的な仕上げをしました。図Fが治療後の顔貌で、図Hが口腔内です。
 顎の偏位、顔貌の正中の不一致が、顎自体の偏位によるものか、歯の位置異常によるものかの診断が非常に重要です。

E

F

G

H

 ”顎の偏位”というのはある日突然起こる現象ではありません。遺伝や先天的な異常で胎児の時に既に顎がゆがんでいる人は非常にまれです。大半は、成長の過程で、不適切な噛みあわせを放置していたために顎の位置が偏位した状態で発育してしまい、左右の顎の大きさや形がアンバランスになってしまうのです。

 つまり、小児の時期が重要なのです。次の症例を見て下さい。

症例3

6才の女の子です。図Iを見て頂くと、上の歯の正中と下の歯の正中がずれているのがわかると思います。下顎が右へ偏位しています。
 奥歯のかみ合わせは、図Jのように右側が、下の歯のほうが、頬っぺた側に出ています(青丸の部分)。奥歯のかみ合わせは、右も左も上の歯が頬っぺた側に出ているのが正常です。顎が右へ大きくずれている、ということです。このまま放置していると顔がゆがんだまま顎が発育します。

 幼児期の顎の偏位の大半は、上顎骨の劣成長が原因です。図Kのような床装置で上顎を拡大しました。図Lが側方拡大が終了したところです。治療期間は5ヶ月でした。

I

J

K

L

図Mが治療後で、上下の歯の正中が一致していますし、奥歯のかみ合わせも図Nのように正常といえます。

 顎の偏位は、幼児期の不正な噛みあわせが原因で発症することが大半です。図Oのような顔がゆがんだ子供さんの場合、必ず口腔内に問題が起こっています。早期に改善してあげなければいけません。様子をみていると、顎が曲がって顔の形も変わってしまいます。

M

N

O

顎のゆがみ、偏位は、顔の形も変えてしまいます。顎が成長しきっていない幼児期であれば、顎の成長をコントロールしたり、不正な噛みあわせを是正することにより改善できますが、成人の場合は、歯の移動による矯正治療と併用して外科処置が必要な場合が大半です。小さなお子さんをお持ちの方は、顔が曲がっていないか時々正面からご覧になってみてください。

 私たち歯科医は、歯並びの異常はもちろんのこと、顎のゆがみや顔の形の異変にも、常日頃目を配っています。特に成長過程にある子供さんの場合には、正常な顎の発育を妨げるような危険因子の兆候が認められた場合には、未然に防ぐことが責務と考えています。

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