デンタルQ&A
受け口の治療について女性 20代 2002/11/21
- Q
- 私は、下のあごが前に出ているいわゆる受け口です。小さい頃からコンプレックスがあり矯正をしたかったのですが、近所の歯医者さんに相談した時に、手術をしないと治らない、といわれたので怖くてできませんでした。下の歯が、上の歯より1cmくらい前にでています。手術をしないと治らないのでしょうか?
- A
- 最近は、重度の受け口の方でも手術をしなくて治療できるケースが増えています。診査して見ないとわかりませんが、受け口の方の半数くらいの方は少なからず上顎の劣成長があります。
上下の歯が前後的に1cmくらいずれているからといって、必ずしも下の顎が前に出ていることだけが原因とも限りません。
下の奥歯の抜歯は必要かもしれませんが、現在では、技術的にも手術なしで治療する方法がいろいろありますので、矯正治療に精通した歯科医に、一度相談してみてはどうでしょうか?
女性 30代 2002/10/03
- Q
- はじめまして。今、34才でひどい開咬だったため、25才から3年間ほど矯正をしました。今、後戻りの状態がありとても気になります。
もともと、上の前歯2本がかなり出ていて、そのすぐ横の歯は後ろに重なっていた状態でしたが、治療後は綺麗に一列に揃いました。それが治療を終えてから、徐々に元の状態に戻ってきています。また、前歯2本が前に出てきているのです。このままでは、また昔の状態になるのではと不安です。この後戻りを治す方法はあるのでしょうか?
それとも、どうしても気になるのなら、もう一度矯正するしかないのでしょうか?普段の生活で防ぐ事はできますか?かなり悩んでいます。回答宜しくお願いします。
- A
- ”開咬”の矯正治療をしたが、後戻りしてきた、とのご質問ですが、まず、一般論としてお話ししますと、歯列不正にも幾つかタイプがあります。大きく分類すると、叢生(乱杭歯)、上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口)、開咬の4種類です。
2種類以上が重複した人もいます。この4種類の中で、一番後戻りしやすいのが、”開咬”といわれています。悪習癖や、単なる歯の傾きの異常による開咬の場合はそんなに問題になりませんが、骨格的な異常を伴う開咬の場合、非常に後戻りしやすいので、要注意です。後戻りを防止するための保定装置(リテーナー)を、治療後もかなり長い年月入れておく必要があります。
少しずつ後戻りしている、とのことですので、現在は、保定装置を入れていないのではないでしょうか?一刻も早く、保定装置を装着して下さい。矯正治療をしてもらった歯科医院なら、ほとんど治療費はいらないと、思いますが・・・。現状より悪い歯列になることはありません。
では、後戻りした歯をもとに戻すには、どうしたらいいか、ですが後戻りしてしまった歯並びの程度にもよりますが、軽度の後戻りであれば、ダイナミックポジショナーとか、スプリングリテーナーという装置で治ります。歯にポッチ(ブラケット)をつけてワイヤーを通す固定式の装置ではなく、取り外しの装置ですので、異物感は、ほとんどありません。重度に後戻りしてしまった場合は、はっきりいって、もう一度、矯正治療をやり直すしかありません。再治療となると、歯科医の治療後のメインテナンスの指導がどのようになされたかが問題になります。
前述しましたが、”開咬”は、後戻りしやすいので、保定は長期間必要です。成人の場合、永久固定、といって、前歯6本程度の裏側に、細い針金か、薄い金属の板を張り付けて、絶対に歯が動かないように固定してしまう場合もあります。そのあたりの判断が、装置除去後の、メインテナンス期間中になぜなされなかったか疑問の残る点です。
いずれにしても現状維持のために、リテーナーを入れるか、少しでも歯の移動をさせるために、ポジショナーやスプリングリテーナーを入れるか、思い切って再治療するか、の3択だと思います。放置していれば、悪化するだけです。再治療の場合、矯正治療をした歯医者さんであれば費用はいらないはずですが・・・。
八重歯について女性 10代 2002/09/21
- Q
- 小学4年生の娘についてですが、八重歯が2本、両方から生えてきそうです。上唇をめくると歯茎がこんもりとしていて八重歯がそこにあるのが分かります。八重歯は見た目も悪く、必要ないのにどうすればよいのでしょうか?生えてきたらぬけるのでしょうか?是非教えて下さい。
- A
- 真ん中から数えて3番目の先の尖った糸切り歯が上のほうに生えると、俗に八重歯といいます。
八重歯になる原因ははっきりしています。歯が生えるスペースが足りないからです。
ですから歯が生えるスペースを作ってあげれば、自然と正しい位置に生えてきます。かかりつけの歯医者さんに相談してみて下さい。もし、八重歯になるまで放置したとしても、その歯を抜くことはまずありえません。矯正治療の場合、糸切り歯より後ろの歯を便宜的に抜くことはありますが・・・。
歯列矯正するのに、親知らずを抜くのはなぜでしょうか?女性 20代 2002/09/18
- Q
- 歯並び、噛み合わせ、どちらも悪いので、歯列矯正したいと思います。歯科医に相談したところ、「矯正する前に親知らずを抜く必要がある」と言われました。親知らず自体は、痛みもないですし、特に抜く必要はないと思うのですが・・・。
また、中学生の頃に、顎が小さすぎて歯が並びきらないという理由で、下の歯を2本抜かれています(泣)ので、これ以上歯を1本でも抜きたくない、というのが今の気持ちです。矯正する場合、なぜ、親知らずを抜かなくてはならないのでしょうか?
- A
- 親知らずの生え方が問題です。まっすぐ生えていれば、抜く必要はありません。
斜めに生えていて、前の歯を押しているようなら将来的に前歯が重なる原因になるので抜いたほうが良いのですが、どうしても抜きたくないのでしたら、矯正後の後戻りしないための保定装置を、歯の裏側を接着剤で留めてしまう永久固定をすれば大丈夫です。親知らずが原因で再度歯並びが悪くなることはありません。
指しゃぶりによる開咬について女性 6~9歳 2002/08/15
- Q
- 小学生1年の娘が指しゃぶりによる開咬で、舌の癖もかなりあるため、まずは舌矯正をするように歯科医に告げられました。
詳しい説明がほとんど皆無だったので、不安になり、該当のHPを探索し続け、貴医院のHPを拝見し、見易さ、情報共秀でており感動してメールしております。
舌矯正についてのHPが探索できなかったので伺いたいのですが、歯科では、舌矯正は1週おきに来院、1回30分以内2000円のみ告げられました。①料金は適正か?②矯正歯科でなく小児歯科だがよいでしょうか?③医師でなく衛生士が指導するのでしょうか?④舌矯正の方法について詳しく知りたいのですが・・・。
- A
- お子さんが、指しゃぶりによる開咬で、舌矯正を勧められた、とのことですが、いくつか疑問点、不明な点がありますので、若干推測も混じるかもしれませんが、話を進めていきたいと思います。
まず、「舌矯正」という言葉ですが、歯科の専門用語としては、存在しません。もし、かかりつけの歯科医が使用したとしたら、患者さんへ説明するのに、わかりやすい言葉として利用しただけで、俗語としか、言いようがありません。舌の悪い癖が原因で歯列不正になってしまった場合、「悪習慣である舌癖の除去」、を治療として行う、という言い方しかしません。「矯正」という言葉は、あくまで歯の位置を、器具(ワイヤー、ブラケット等)か、補綴(被せや入れ歯)で移動して、歯並びをきれいにすることをいいます。ですから、「舌矯正」をする、というのは、どんな治療をするのか、正直いってわかりません。
それから、指しゃぶりが歯列不正の原因なら、指しゃぶりを止めさせる何らかの方法を行うのが治療ですから、舌の矯正の話がでてくるのが非常に不可解です。
「舌の悪習癖が原因による開咬」の一般的治療法をお話します。大きくは、機能的訓練法(舌や口唇の訓練)と、機械的矯正法(装置による悪習癖の除去)の2種類があります。機能的訓練法(MFT)は、低年齢児ほど効果があります。自宅で、口唇、舌、頬などの筋肉を強化する訓練をします。食事の摂り方などの指導も行います。
具体的には、いろいろな方法がありますので、省きますが、3,4才の子なら非常に効果があります。小学校にあがると、骨格(特に上顎)の形態的異常が起きてしまっている場合が多いので、MFTだけで完治させるのは、難しいと言わざるを得ません。開咬の程度にもよりますが、全く効果がないことはないと思いますが、機械的矯正法の補助的治療と考えたほうがいいのではないでしょうか。
軽度の開咬の場合は、本人の努力にもよりますが、完治する場合もあります。現時点で、骨格的な異常(上顎、下顎の前後的、左右的、上下的な成長異常)がどの程度なのかによります。
機械的矯正法とは、装置による矯正です。舌を前に出したくても出せないような装置を口に装着します。何種類かの装置があります。6,7才という年齢を考えると、骨格的な異常が重度に起きていれば、舌癖防止装置から、本格的な矯正へ移行しなければしかたがない場合もあります。
①料金は適正か?とのことですが、どんな治療をするのかわからないのでお答えしにくいのですが、小児歯科の先生なら、とりあえず、MFTをやるつもりではないでしょうか。矯正治療は、自費治療ですので、上下全体の歯の移動を行う場合、何十万とかかる場合もあります。一回2000円というのが、意味がよくわかりません。開咬という歯列不正を完全に完治させるのに、総額でいくらになるのか?が重要ではないでしょうか。開咬という歯列不正は、後戻りが起きやすい部類になります。お子さんはこれからどんどん成長するのですし、思春期成長では、体型が変わるように上下の顎も大きな変化を遂げます。18才前後までは、管理、観察していくことが必要です。一回の治療費がいくらかということよりも、どんな治療方法に対して治療費が、いくらかかって、治療終了後のメンテナンスに対して治療費は、どうなっているのか、歯科医側は、説明する義務がありますし、患者さん側は、説明してもらう権利があります。
②矯正歯科でなく小児歯科だがよいでしょうか?とのことですが、かかりつけの歯医者さんは、小児歯科専門医でしょうか?前述しましたように、思春期成長が終わる18才前後まで、責任を持って診てくれることが、一番重要です。一般的に矯正歯科を専門に手がけている歯科医は、機械的矯正装置については、熟知していますが、MFTの効果については、否定的な人が多いと思います。小児歯科専門医は、MFTには、熱心に取り組んでいると思いますが、機械的矯正装置については、あまり知らない人が多いと思います。あくまで一般論ですが、小児歯科と矯正歯科の両方に熟知している歯科医がベストだと思います。
③衛生士が、指導するのでしょうか?とのことですが、MFTについては、歯科医師が指導している医院と衛生士が指導している医院が、半々くらいだと思います。どちらが指導するにしても、歯科医の指示のもとに行いますので、治療の良否、結果には、影響でないと思います。MFTは、自宅療法ですので、本人のやるぞ、という強い意志、忍耐力にかかっています。
④舌矯正の方法については、最初に概略はお話しましたが、治療の手順をもう少しお話します。まず、舌の悪習癖を含めた種々の習癖について、問診します。指しゃぶりが、どうして今まで続いているのか、食事を含めた生活習慣についても尋ねます。顔貌、口腔内写真、レントゲンや歯型を採って現時点で上下の歯、顎が、形態的にどの程度異常か、同年齢の子に比べて、正常と異常な箇所を詳細に計測します。こういった検査を踏まえて診断を下し、MFTのみで治療するのか、機械的矯正治療と併用で行うのかといった治療方法を決定します。治療期間、治療費等についても、治療前に十分患者さんに説明されるはずです。とにかく治療をはじめる前に、十分な検査による診断と、患者さんへの説明は不可欠です。
「詳しい説明が皆無だった」というのが、一番問題です。かかりつけの歯医者さんに、もう一度相談してみて下さい。もし、話を途中で打ち切ったり私に任せなさい、というような態度をとるようなら場合は、自分に自信がない証拠です。
抜歯しない成人矯正について女性 30代 2002/07/20
- Q
- 最近パソコンを購入し、こちらの掲示板を知りました。是非質問させていただきたく、お返事をこちらの掲示板にお願いできましたら幸いです。
私は3年前、抜歯しないで歯科矯正しました。成人になってからの矯正は、4番の歯を抜いて動かすと聞いていました。同い年の友人(30代後半)は抜歯して矯正し、治療中の痛みも殆どなかったそうです。私は、「ワイヤーを締める時の猛烈な痛み」に耐えてやっと終了したと思った時、顎関節症になりました。最初は、担当医の言った「あなたは下顎が小さいからやっかいかもしれない」という言葉の意味がわかりませんでした。でも、別の病院で、右下顎が外側へ、左下顎が後ろへ食い込むようにずれてしまったのをレントゲンを見たときにわかりました。矯正中から何度も担当医に「前歯が出っ歯になった感じ。口が閉まらない。奥歯が極端に外へ広がって口の中が苦しい」と相談しましたが、そのうち慣れるからの一点張りでした。このHPを見て、私の場合やはり抜歯の必要性があったのではと疑問に思いました。マウスピースをはめても一向に顎はよくなりません。歯の円周の大きさを元通りにするには矯正のやり直しをしなくてはいけないのでしょうか。
- A
- 「矯正後に顎関節症になってしまい、どうしたらいいのでしょうか?」とのご質問ですが、結果論になってしまいますが、矯正をしたことによって顎関節症になったのは、明らかだと思います。
歯列不正の種類にもよりますが、成人の方の非抜歯矯正は、かなり慎重に行わないといけません。治療前の歯列不正がどのようなタイプであったかは、不明ですが、一般論としてお話しますと、軽度の叢生(乱杭歯)なら非抜歯で治療することも可能ですが、上顎前突(出っ歯ぎみ)や、逆に反対咬合(受け口)の非抜歯治療の場合、「歯を抜かないで矯正できますよ」という点ばかり強調される傾向にありますが、成人の非抜歯治療のリスクについて、あまり語られないことが多いのは、非常に残念です。
非抜歯で矯正する場合、奥歯を後ろへ順次動かしていくか、顎関節の位置を移動させるか、顎を側方へ機械的に無理矢理広げるか、3者の併用を行うなど、治療方法は幾つかあります。が、どの治療方法で行うにしても、かなり大きな力が、顎外矯正装置(ヘッドギアやチンキャップ)も利用して必要で、顎関節に負担がかかります。
そのあたりの知識と、治療中の顎関節への配慮が、重要になってきます。抜歯しての矯正でも顎関節症になる方はいますが、非常にまれです。アメリカでは、成人への無理な非抜歯治療により、治療後、顎関節症になってトラブルになっているケースは、数知れずあります。現在のところ、日本では、「ほとんどのケースを、非抜歯で治療します」と掲げている歯科医は、少数派です。
顎関節に自覚症状があり、レントゲン的にも異常があるのでしたら、早急に治療する必要があります。その場合、一番重要になるのは、矯正前の歯並び、噛みあわせ、顎関節の状態が、どうであったか、です。矯正を行った歯科医院に治療前の資料として、歯の模型や、レントゲンは保存してあるはずです。それを入手しないと、治療に取り掛かるのは難しいです。矯正をやり直す、といっても何も処置していない一番初めの状態がわからないと、方向性が、見えてきません。それから、矯正をした歯医者さんと、マウスピースを作った歯医者さんは、同じなのでしょうか?顎関節症と矯正、両方に熟知した歯医者さんでないと、なかなか治療は良い方向にいかないのではないでしょうか?治療前の資料があっても、寸分違わず元の位置(主に顎関節部)へ戻すのは、難しいかもしれません。なぜなら、年単位の矯正治療を通じて、徐々に顎関節部が破壊されていったのですから、関節部の構成成分である骨や軟骨、靭帯、筋肉等の形態的変化が起きているはずです。
回復するにも時間がかかると思われます。治療方法についてですが、マウスピースの調整で、仮に顎関節の自覚症状が無くなったとしても、マウスピースを外せばもとの噛みあわせになってしまいますから、最終的に、何らかの噛みあわせの処置が必要になってきます。
顎関節部に一番安静な位置が決まったら、その位置で矯正をやり直すか、奥歯に詰め物か被せを入れて、その位置で噛めるようにする、などの方法が考えられます。長期戦になる可能性が高いと思います。
前歯の補綴矯正について女性 20代 2002/07/07
- Q
- こんばんは、初めまして、少し質問したいのですが、回答よろしくお願い致します。
私は、虫歯が結構あるのですが、治療途中で体の具合が悪くなり、途中でやめていました。そろそろ治療にいかなければいけないのですが、臆病になり、なかなか行けないという調子です。
それから前歯のことなんですが、実際に見てもらったほうがいいのでしょうけど、歯が前に出ているんです。それほど思いっきり前に出ているわけじゃないのですが、自分では気になってしょうがないのです。私としては補綴矯正をしてもらいたいのです。とても気になっていた所を比較的短時間で治せるみたいなので・・・。もし、補綴矯正をする場合、前歯の2本だけ・・というのは無理ですか?
中央から2本だけとりあえず整えてもらうと気分的にも違うと思うのです。だいたい、いくらくらいかかるか教えてもらえませんか!高そうなのでドキドキしています。それから、期間はどれくらいかかりますか?やはり保険はききませんよね!長くなりましたが、返事待っています。
- A
- 前歯の補綴矯正についての質問ですが、前歯2本を、少し中へ引っ込めた被せにすれば、出っ歯ぎみは、ある程度改善できます。
2本より4本処置したほうが、前歯全体が中へ入った感じにできます。どの程度の出っ歯なのか、どの程度改善することを希望されているのかによりますが、2~3㎜は中へ入った感じにできると思います。
下の歯との噛みあわせがどうか、によって中へ入れれる量が制限されます。多くの歯を同時に処置したほうが、見栄えはよくなりますが、歯の傾きを本来の傾きとは違う方向へ向けるため、歯をある程度削ることになります。歯の神経をとる処置をしなければならない場合も生じます。
費用のことですが、前歯の被せは、健康保険の範囲で行うのでしたら、レジン前装冠(金属を土台にして、前の見える部分を白いプラスチックをはりつけた被せ)になります。3割負担の方で、1本約7500円(全ての治療込み)です。全国どこの歯医者さんで行っても一緒です。但し、レジン前装冠は、経年的に若干の変色や、磨耗によるざらつき感が生じてきますので、若い方で、一番見える上の前歯に使用して、長期に渡って満足できるか、というと疑問が残ります。
費用がかかっても綺麗に変色もなく、長期間使用することができる被せですと、メタルボンド冠(金属の土台にセラミックをはりつけた被せ)になります。自費治療になりますので、歯科医院によって費用にばらつきがあります。
セラミックで作製しますので、被せ自体は、半永久的といえます。治療期間のことですが、歯の中に問題がなければ、歯を削った日に歯型を採れば、次回(一週間くらい)には、被せができます。治療中は、当然仮歯をいれておきます。治療回数は、2,3回、期間は、2週間くらいだと思います。かみ合わせの関係で、下の歯も治療したほうが良い場合は、もう少しかかります。どのような治療法がベストか?どの部分をどの程度治したいのか?によって治療の仕方が、何通りも考えられます。
詳細については、口の中を診させて頂かないと・・・。かかりつけの歯医者さんに相談してみるのも一法です。が、前歯の見た目を良くする方法には、歯を動かす矯正、補綴による矯正、出っ歯気味の歯を抜歯して補綴矯正にするか、インプラントにする、等が考えられ、どの方法も、一長一短ありますので、いろんな方法に熟知している歯医者さんのほうが、患者さんの選択肢は広がると思います。
4才の娘の反対咬合について女性 6~9歳 2002/06/27
- Q
- 4才になる娘ですが、反対咬合があり下顎が少し出ています。近所の子で同じような子がいて歯医者で相談したら、就学前に矯正した方がいい、100万ほどかかるので、今から貯金しておきなさい、と言われたそうです。実際、治療の時期はいつ頃が良くて、治療費はいくらくらいかかるのが、普通でしょうか?
- A
- 反対咬合にも2つのタイプがあります。前歯の歯の傾きが原因で一時的に反対咬合になっているだけで、永久歯に生え変わる時には、自然に治る場合が、あります。
もう一つのタイプは、上下の顎の発達のアンバランスや前後的な位置の異常によって起こる反対咬合です。後者の場合、低年齢児からの治療、管理が必要になってきます。
一度、かかりつけの歯医者さんに相談してみてください。矯正を診療に取り入れている歯医者さんに診てもらう必要があります。それから治療費についてですが、矯正は、自費治療ですので、治療費は、使用する装置、年齢、期間等によってかなりばらつきがあります。ただ、100万は少し高いと思います。
一般的には、小児矯正は治療費は安く症例にもよりますが、20万~40万といったところではないでしょうか。ただ、地域性や歯科医の技術料という理由で高額な治療費を設定しているところもありますので、ご自身で納得して治療を受けるしかありません。本や、インターネット等でできるだけ多くの情報を入手して、信頼できる歯医者さんを見つけてください。
歯列矯正(1本の反対咬合)について女性 40代 2002/06/11
- Q
- 初めまして。歯列矯正についてご質問します。
前歯の一部が口を閉じると上下逆になります。(右の中央の歯上下)近くの矯正歯科医院で相談したのですが、私の場合ですと、もちろん全体的に矯正が、一番綺麗でしょうが、部分矯正もでき、費用は、アフターも含めて15万と言われましたが、部分的な矯正でも問題はないのでしょうか?
私としては、とにかく上下が入れ替われば満足なのですが・・・。実際歯をみていただいないと判断できないでしょうが、その先生は、上下を入れ替えるのは比較的簡単です」と言われました。
- A
- メールの内容からですと、”右の中央の上下の歯が逆になっている”とのことですが、その歯だけを正常な噛みあわせに治すのは、治療としては、非常に簡単です。ただ、いくつか問題点があります。
治療法についてですが、上下逆ということは、上の歯を前に出すか、下の歯を中に入れるかのどちらかです。上の歯を前に出すと、現在よりその部分は、出っ歯になります。下の歯を中に入れるには、歯を並ぶスペースを確保しなければいけないので、顎を横へ広げるか、歯と歯の間を何箇所か削る(スライスカットという)処置が必要です。
どちらにするかは、顔貌や周囲の歯並びから決定します。もう一つの問題点は、治療後の後戻りです。部分矯正は、全顎的な矯正に比べて後戻りしやすいので、保定(後戻りしないための処置)が重要になってきます。保定の方法にもいろいろありますが、固定式(歯の裏側をワイヤーと接着剤でとめる)がいいかもしれません。
部分矯正は、費用と時間が短くてすむので、奥歯の噛みあわせに問題がなければ良いと思います。年齢が上がるにつれ後戻りしやすくなります。
歯の噛み合わせについて男性 30代 2002/06/06
- Q
- はじめまして。歯の噛み合わせについて気になっているのでメールしました。
実は、右側の奥歯が、うまくかみ合っていない気がしています。強くかみ合わせるとどちらも合うのですが、軽く合わせると、右側の奥歯が、少し浮いている?感じがしています。(実際には浮いていないかもしれない。)
物を噛んだ時は、左側に比べて右側で噛んだ方がちょっと無理して噛んでいるような違和感を感じています。もしかしたら、右側が浮いているのではなく、左側が被せが高い?かもと思っています。
その他の症状としては、口の開閉時に右側の顎がジャリジャリと砂が混ざったような音がする。右側の首、肩こりがある。(左側は、ありません。)が、3年以上前からあります。平成12年に顎の音のこともあり、岡大の歯学部(口腔外科)に行き、MRI撮影を行ってもらいましたが、顎の骨(軟骨?)には、異常はないと言われました。その後、噛みあわせを診てもらうため補綴科にも行きました。歯ぎしりが原因ではないかと言うことで、マウスピースみたいな物を作ってもらい、睡眠時に装着していましたが、特に改善されることもなかったので、半年くらいで、「これ以上続けても特に変わらないようだし、治療をしなければならない症状でもないので、様子を見ましょう。ひどくなれば、又来てください。マウスピースは、歯軋り防止で続けた方が良いでしょう。」という事で治療を中止しました。(顎の音も鳴っているうちには入らないと言われました。)
その後、マウスピースは、しばらく着けていたのですが、症状の変化無く(朝、顎が非常にだるい時もあった)、マウスピースが、欠けたこともあり、治らないのかと着けるのを止めました。その後も気になっていたのですが、岡大の事もあり、歯医者に行っても「これくらいでは治療はしなくていいですよ。」と言われるのではないか、治らないのではと、ためらいがありました。又、首、肩こりの原因は他にあり、顎の事は、見当違いじゃないかなとも思っていました。
しかし、最近(10日程前から)右腕が痺れるようになり、又、以前にも増して、首と肩こりがひどくなってきました。顎の音については、鳴らない日もあるのですが、顎を大きく開けた時に、カンッて音がして又ジャリジャリと音がします。これらの症状をインターネットでいろいろ調べてみて、噛みあわせが悪いことからきているのかなと思い、相談してみようとメールをすることにしました。
もし、完全に治癒しなくても症状が少しでも改善されるのならと思っています。何かアドバイスがあれば、宜しくお願いします。
- A
- 噛みあわせについてのご質問ですが、現在の自覚症状(顎のカンっていう音、右奥歯の浮いた感じ)から推測しますと、病名でいえば「顎関節内障」という診断になると思います。
3年前に比べて症状が悪化しているということは、顎関節部(特に関節円盤)の偏平化、又は穿孔が起きている可能性があります。関節円盤は、咬合圧や歯軋り時に顎関節への負担を軽減、緩衝する軟骨で弾性に富んでいるのですが、圧迫され続けると、偏平になり、重症になると穴があく(穿孔という)こともあります。
3年前は、軽症ということで、マウスピースによる保存的治療が行われたとのことですが、症状が悪化しているのですから、再検査(レントゲン等)したほうが、いいと思います。
それから、噛みあわせ(右奥歯が浮いた感じ)との因果関係ですが、岡大の補綴科には、T-scanという咬合を精密、正確に診査する医療機器があります。上下の歯を噛みあわせた時に、上下の歯の当たり具合、隙間を10ミクロン(0.01ミリ)単位で計測することができます。右側が本当に浮いているのかどうか、客観的な数値としてでますので一目瞭然です。
ただし、下顎は、前後左右に動かせるので、かみ合わせが高い、低いだけでなく、前後左右に動かした時にある場所で早期接触(ある歯だけが強くあたる)があって、それが原因で顎関節症になることもあります(咬合干渉という言葉を使用します)。その辺りの検査も重要になってきます。
関節円盤、特に変速の異常は、顎関節周囲の左右筋肉のアンバランスを招き、神経筋機構にも波及して、首すじの痛みや肩こりを訴えるひとも多いです。首すじの痛みや肩こりの原因が全て噛みあわせからくるのではないにしても、可能性大だと思います。詳細な問診、触診、X-ray診による、関節雑音(関節部のカンッとか、ジャリジャリという音)の種類、場所を特定することにより治療方法が決定されます。
一般的には、保存的治療(薬物療法、理学療法、マウスピースによる補綴療法等)を行いますが、重症の場合には、外科的な治療法もあります。詳細については、省きますが、マウスピースにも種類がたくさんありますので、適切なものを選択し、調整していくことが重要になります。