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第169回 咬合セミナーを開催しました!

GWに突入しました。先週の週末は、仙台でボランティアとして働いている知人の歯科医・歯科衛生士の下へ、入れ歯洗浄剤と入れ歯ケースを各100個送りました。

東日本大震災の被災地で心労・苦労の中生活されている方々のことを考えると、海外でのスローライフでリフレッシュ、という気持ちにもなれず、GW中は、”今後自分にできることは何か?歯科医としての今後の人生設計は?”など自身を見つめなおす機会と思い、あまり出歩かず”思考する時間”とすることにしました。

さて、先日の日曜日は東京から高名なN先生をご招待して、”2011年度第2回ODCサブ例会”として「咬合(咬み合わせ)セミナー」を開催しました。朝早くから長時間に渡り講演・実習デモをして頂き有難うございました。

卒業以来、私自身、”咬合論”について語られるさまざまなセミナーに参加してきました。大学の補綴科(咬み合わせ科)に在籍していた頃から、学生時代に教えられた咬合理論では全く通用しない患者さんが多くいることを痛感するとともに、試行錯誤の毎日だったことを記憶しています。

開業してからも、咬合(咬み合わせ)の不調和を訴えて来院される方は多く、咬合が原因と思われる口腔内の崩壊ケースも毎日のように遭遇します。

先人の築き上げてきたスタンダードとされている咬合理論に乗っ取って臨床を行っても、上手くいく場合と上手くいかない場合があります。自分の経験不足によるものだけではない”機能的咬合の確立”の難しさがあります。

N先生は、40年以上に渡る臨床経験に裏打ちされた独自の咬合理論をお持ちで、非常にシンプルな考え方で共感できる部分が多々ありました。多数歯欠損の粘膜負担の義歯や顎関節症の方には、次の一手として頭の片隅に置いてもよさそうな咬合理論というのが私の見解です。

N先生による参加者2名を被験者とした中心位へ誘導するデモンストレーションもして頂き、日々の臨床へのヒントを多く頂いた有意義な一日になりました。岡山でのセミナーは異例で、遠方より本当に有難うございました。今後とも、御教示の程、宜しくお願いします。

補綴専門医は、とかく顎関節を中心とした円滑な下顎運動や中心位と中心咬合位のずれに着目して双方を近づけることや、歯牙咬合面の細部に渡る形態に目を配り問題点をピックアップし修正の必要性を訴えます。もちろん重要なことですし私も十分理解しているつもりです。

しかし、私自身の臨床経験(20年足らず)からすると、最近頓に思うのは、もっと外枠というか大局的な見地でものを見る目が必要なのではないか?と感じています。

どういうことかと言うと、咀嚼運動を支配していて中心的な役割を担っているのは、実は歯牙でもなければ顎関節でもない、”咀嚼筋を中心とした口腔周囲筋の活動や舌や頬粘膜の位置・支配領域”のはずです。顎関節部の形態や運動が円滑でなく、臼歯部を中心とした歯牙の咬合面も理想的といわれている形態からはかけ離れている方でも、何不自由なく食事ができるし何の訴えもない方が大半です。

私たちは、あまりにも”ミクロ”なことを観察しすぎていて、その領域の荒さがしをしているが、実は事の本質は全く別の領域にあるのではないだろううか?と最近感じます。”木を見て森を見ず”に陥ってはいないだろうか?と言うことである。

修復治療(被せや詰め物などの人工物による代替え品)を行うためにはルールが必要で、ルールに乗っ取ったゴールを見据えた治療を行うのは当然のことである。ただ、やみくもに全ての方を同じ下顎運動や咬合面形態に向かわせても、実際には良好な臨床結果がともなわないことが多々ある。とても悩ましく難しい分野である。

”個性機能咬合”という言葉がある。臨床経験を積めば積む程、”1人1人の方に最も適正な咬合とは、当てはめるのではなく、見つけ出すものである!”と感じる。

現在では、DOS(docter oriented system:歯科医主導)からPOS(patient oriented system:患者主導)へと変貌を遂げ、豊富な知識と技術に裏打された多彩なオプションの提示が求められている時代になってきた。

また明日から個々の患者さんに適応可能な咬合(個性機能咬合)を見つけ出すために模索する日々が続く・・・。

GWが開けると、5月、6月は週末を中心に岡山で開催する歯科関係者対象の対外的な行事が目白押しである。同志とともにしっかり準備して臨みたい!

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