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第167回 第1回ODC例会・・・臨床に必要な咬合の知識

先週の土曜日(1/15)は、2011年度「第1回ODC例会」を行いました。ODC(Okayama Dentists Club)とは、学術に重きを置いた岡山県内を中心に集まった歯科医のスタディグループである。新年度ということで新入会員も数名参加されました。

第1回目となる今回のテーマは、「臨床に必要な咬合の知識」ということで、私が講義と実習を担当しました。

長期臨床ケースを提示しつつ、咬合概論(中心位の変遷、咀嚼パターン、咬合を決定する3要素など)について触れた後、適切なアンテリアガイダンスとディスクルージョンを与えるための臼歯部咬合面形態の必要要件(17項目)について、講義の中で参加者全員に再確認して頂きました。


フルマウス・リコンストラクション(上下歯牙全体の再構成)する際、顎位を模索するため、見つけ出すために”プロビジョナル・レストレーションの作製”が必須となります。

ラボサイド、チェアーサイド、双方で的確に調整できるようになるための始めの一歩として、今回の実習では、咬合面形態の作製をワックスコーンテクニックを変法してコンポジットレジンを使用して行いました。

機能的な咬合面形態を与えるためには、いくつかのルールがあります。平らな面から如何にして形態を付与していくのか?解剖学の知識をベースに思考しながら行って頂きました。

ABC/XYZポイント、顆路と連動した適切な咬頭傾斜角、咬合干渉や早期接触を起こさないためにディスクルージョンエリアを理解した上でのグルーブや隆線の方向の決定など、実際に自身が歯科技工をしてみて始めてわかる世界が多々あります。

というより、歯科医と歯科技工士が補綴物形態についての知識を同じレベルで共有しておかないと、良質な最終補綴物へ移行することはできません。

さらに言えば、補綴分野に精通するためには、歯科技工をある程度普段から歯科医も行う必要があると思っています。

特に、臨床上はエンドポイントを探す意味で”診断用ワックスアップ”が重要で、歯科医自らが行えるようトレーニングすべきです。

歯科医が歯牙の解剖学について学び理解を深めること、歯科技工に深く関わることが、歯科臨床の各段階及び最終段階で必ずといって必要となってくる生理的咬合へ導くための補綴物作製の成功の秘訣だと考えます

”歯科臨床”と一言にいっても、実にさまざまな分野があります。全ての分野に精通することは、一朝一夕にはいきません。

病態が複雑な状態に陥っている方が多い昨今、治療を行う上では、地味なようですが、歯科臨床の4本柱である”補綴、保存、外科、矯正”の基本的知識・スキルをバランスよく積み上げていくことが、良質な治療が行えるようになる唯一の方法と思っています。

咬合に代表される”補綴治療”というのは、精密さや繊細さのいる医科領域にはないある意味歯科医ならではの世界で、まだまだ未解決の領域のため、学習しがいのある分野ともいえます。

ODCを通じて、後進国と言われている岡山の歯科医療の質の底上げに貢献できればと思いますし、歯科臨床を真摯に誠実に頑張っている歯科医が成功事例として認知され報われる時代、そして若い歯科医の目標となる日が来てほしいと思っています。

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