第124回 ODC例会(根管治療について)
6月18日(土)、定例のODC(Okayama dentists club)例会を行った。ODCとは、学術を中心に研鑽、情報交換の場としている歯科医のスタディグループである。
今回は、”Endodontics(根管治療)について”の第一回目のセッションを行いました。わかりやすく言うと、歯根の中の掃除の仕方の勉強をしました。根管治療は、建築の世界で言えば「基礎工事」に相当する歯科治療の根幹をなす、非常に大切な分野です。
華やかな治療とは言い難い地味な分野とも言えますが、根管治療をおろそかにする(手抜き工事のようなもの)と、必ず何年か後に、さまざまなトラブルに見舞われます。私たち歯科医自身の歯科医療への姿勢が最も問われる分野であるとも言えます。患者さんには根管治療の意義、大切さについてなかなか伝わりにくいのですが、誠実に日々診療を行っている歯科医ほど、この分野の習得に精力を費やすといえるのではないでしょうか。
もちろん歯科医療の一端を担う根管治療の進歩は、目覚ましいものがあります。会員のS先生から、経験に裏打ちされた「勘どころ」についてエッセンスを講義して頂きました。開業医に求められる”確実性と効率”という相反する要素を満たすための工夫や使い勝手の良い機器、道具についてアドバイスをしてもらえました。貴重なお話本当に有難うございました。
どの分野についても言えることですが、解剖学の知識が全ての歯科治療の出発点になることを中心に話させて頂きました。
実習は、Y社の協力の下、模型、抜去歯牙を使用してのNi-Tiファイルによる根管形成、根管充填、そしてマイクロスコープ(実体顕微鏡)を使用した各種デモなど盛りだくさんの内容でした。
エンド(根管治療)の世界の”3種の神器”、必要不可欠な機器は、
①Ni-Tiロータリーファイル
②マイクロスコープ
③歯科用CT
と言われています。当クリニックにも、マイクロスコープが近日導入され、上記3つが揃います。
開業医である私たちには、学習しなければいけない分野が数多く存在します。日々の診療に追われながら、どのように自身の学習スケジュールを組んでいくか?は難題と言えます。
しかし、医療という仕事を選んだ以上は、現役の間は常に向学心を持ち続けることが責務であると感じています。
来月は、私が所属していた岡山大学補綴科の教授に”総義歯臨床の勘どころ”というタイトルで講演をお願いしています。少人数のオーディエンスならではの活発なディスカッションが会員相互でできればと思っています。
そして12月の会員発表に向けて、個々の会員が準備を進めてくれている、と聞き、頼もしく感じています。
今秋には、ODC主催で対外的に大きなセミナーをします。ビッグネームの講師も決定しました。少しずつですが、ODCを通じて、岡山の歯科医療が変わっていく手ごたえを感じています。