第81回 後輩からの相談&ナイトミーティング
特に、スタッフとの関係がぎくしゃくしていて、今後のことを非常に危惧しているとのことである。
例えて言うと、「週休2日で毎週木曜日は休診日という契約で雇ったものの、祭日のある週は木曜日も診察したい」、と提示したら、非難ごうごうで、大反発されたそうだ。
「祝祭日がある週は、通常休診日の曜日にも診療する」というのは、よくある話だし、私の知人にも多いのは事実である。ちなみに当医院では、祝祭日を理由に休診日に診察したことは開業以来一度もない。
被雇用者の立場からは、月給制で週休2日という雇用契約への違反であるし、祝祭日があってその週の診察日が減るので診察したい、というのは雇用者側の勝手な言い分である。
”そんなことを理由に出勤を強いるのなら、年末年始なんかは連続して休診日が続くから、12月と1月は、毎週木曜日に仕事をしないといけないのですか?”と言われたそうだ。
確かにその通りである。スタッフの言っていることは全くの正論である。反論の余地はない。
経営者側の立場からは、休みが続くと急患の患者さんが困るので・・・というのが建前で、本音は一日休診にすれば、それだけ売り上げが減るので診察したい、といったところであろう。
私はこれに対して、”最初が肝心だよ”と彼にアドバイスした。”就業規則に明記しているかどうかだね、明記していないのなら、休日出勤手当てを出すとかしないと納得できないと思うし、交代制にするとかして、週休2日にしてあげないといけないと思うけど・・・。”
それから、”手当てを出せばいいと言うものでもないと思うよ”、とも言った。本来は休日なのに出勤しないといけないことへの理由が見当たらないから。
当医院の場合、”オペを休診日(木曜日)に2,3回したことがあるけど、やはりスタッフに申し訳ないと言う気持ちがあるし良くないよ!すぐ止めたよ。毎木曜日にオペをしてもおっつかなくなったこともあるけどね。今は、木曜以外は全てオペが可能で、患者さんの都合でオペの曜日を決めているけどね”、とも付け加えた。
医院の収支も大事だけど、スタッフのプライベートの時間を一方的に潰すのは止めたほうがいいんじゃないのかな。スタッフとの溝が深まる引き金になりかねないと思うとも言った。
彼は歯科医としては申し分ない腕を持っているのに、経営者としての能力、力量はまだまだということが垣間見れ、激戦区の大阪での経営の難しさを思い知らされました。
話は変わりますが、1ヶ月ほど前からナイトミーティングが始まった。週一で、診療後にエンドレスに近い状態で、若手スタッフ中心で始まった。内容はというと、”コンサル三昧”である。当医院の場合、非常に複雑でバリエーションに富んだ治療アプローチも提案できるので、コンサルテーションの手法が難しいのです。しかも、日々新しい治療法にも取り組んでいるため、コンサルの手法も日々変えなければいけません。歯科のあらゆる分野の知識が一定レベル以上ないとコンサルテーションができない、という現実問題があります。
患者さんの要望を十分聞いた上で、どのような治療法が提案できるか、概要だけでも説明できる知識が必要です。ファースト・コンサルの達人になってほしいという強い思いというか、できないでは済まされない現状があります。
毎回、本当に熱の入った”模擬コンサル”を繰り返しています。私自身も新たな気づき、反省点があり、とても有意義な時間を過ごせています。