第75回 ”矯正サイト”開設への思い
この度、当クリニック運営の「岡山矯正歯科センター」を立ち上げました。3ヶ月の準備期間中、何度もデザイン、構成等の変更に快く対応して頂いたA様には心より感謝いたします。
コンテンツについては、全て私が考えました。症例はもちろんのこと、掲載・引用している写真は、全て当クリニックで撮影されたものです。
よくある矯正サイトとは一線を画した内容にしたい、という思いがありました。一番こだわった点は、”いろいろな症例の途中経過”を詳細に閲覧することでした。治療前(before)、治療後(after)だけでなく、可能な限り治療途中の様子、その時々のコメントを掲載するようにしました。
サイト内の情報が正しいか否かかは、最終的に拝読した方が判断するしかないのですが、時間や費用のある程度かかる矯正治療についての多くの情報を、症例を中心に随時更新していきたいとの思いで作成しました。
患者様のニーズは多様化してきました。矯正治療単独では治療が難しい場合に頻繁に出くわします。
病態が複雑化したケースにも遭遇する機会が増えました。当然他分野(外科や補綴)との治療を組み合わせないと良質な結果を残せません。
大学卒業直後は、誰もが”矯正という分野”だけが、異質・特殊な領域で、専門に勉強しなければ習得できない”矯正専門医が行うもの”と教えられました。
しかし、一方、矯正専門医に診断から治療まで丸投げして矯正の勉強をしないことは、治療オプションを自ら減じている、言い換えればある意味”歯科医療を行う上での一分野の学習を放棄する自身の怠慢ではないか!!”と考えるようにもなりました。
保存、補綴、外科などと同列に矯正をプランニングの中に組み込み、”1歯科医、あるいは1診療所で全ての治療が行われることのメリットは計り知れない”、と日増しに感じるようにもなりました。
治療ゴールのぶれがないため、コストパフォーマンス、タイムセービングはもちろんのこと、治療法の提案・説明の際、全分野の知識を習熟しておくことにより偏ったコンサルテーションからも回避でき、患者受益になることは確実です。
もちろん、治療の質の低下は問題外ですので、常に相談できる指導医的矯正医が近くにいることが重要であることは言うまでもありません。
歯科医サイドが、歯科医療として行えるさまざまな分野の治療オプションを詳細に提示することが、インフォームド・コンセントの入口ではないか?と考えます。分野の垣根を越えて情報提供できる知識とスキルが必要な時代になってきました。
そして、最終的には、患者さんによるインフォームド・セレクションによって治療が開始されることが、良質な医療、満足度の高い結果に近づくのではないか、と現時点では考えています。
話が変わりますが、先週、ある雑誌に、”優しい歯医者さんVS上手な歯医者さん、あなたはどっち派?”というタイトルの記事が掲載されていました。
コンビニの数より遥かに多い全国の歯科医院では、過当競争からの生き残りのため、あの手この手のサービス合戦がエスカレートしている、という内容でした。いつもにこにこ笑顔の外見上優しい歯医者さん、口の上手い歯医者さんに出会うのは比較的容易だが、腕の良い、上手な歯医者さんに巡り合うのは難しい時代だ、という内容でした。
確かに、腕の良いか悪いかを患者さんが判断することは極めて難しいし、基準をどこに置くのかもわからない。だから人当たりで判断し、優しい歯医者さんを選択するしかない。しかし、本当は上手な歯医者さんを皆探しているはずです。
また、”ホスピタリティー(おもてなし)の語源とホスト・ホステスは同じ”と書かれていた。歯科医院の目指すべき究極のホスピタリティーは、ホスト・ホステス的もてなしなのか???いや違うはずだと自問自答した。
また、患者さんにとっては、”優しくて上手な歯医者さん”が良いに決まっているが、後者を忘れ前者を目指し、没頭する若い歯科医が増えている、と書かれていた。何を根拠の記事かわからないが、いずれにせよ、本業(歯科医療)があってのホスピタリティーであろうし、両者のバランスは常に考え、”医療を行うプロ”という意識を持って後者をまずは目指す行動をしなければいけないはずです。
タイトルとは関係ない余談をしてしまいました。すいません。
とにかく、時間の許す限り、新サイト「岡山矯正歯科センター」を通じて、当クリニックで行っている矯正治療に関することを、世界的なトレンドなども交えながら情報発信していきたいと思います。