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第62回 ”技術革新”の恩恵

医療人としての本業、本質を追求していく上で、材料や器機の進歩、そしてそれを使いこなすための技術の習得、経験値を上げることは、最も重要なことである。

当医院におけるインプラント治療は、次世代を見据えた取り組みへと進行中である。
外傷や重度の歯周病に罹患された方で骨がかなり少ない方でも、オペ当日に固定式の仮歯を装着することが可能になってきました。新しく開発されたインプラントにより、初期固定のコントロールが非常にしやすくなりました。エビデンスに基づいて、基準をクリアしたインプラント体については、即日負荷(ロード)をかけることが可能です。

いろいろなオペを行っている当医院ですが、この一週間で、典型的な類似した2ケースを行いましたので、少しだけお話したいと思います。
2症例とも、保存不可能な歯が多数存在していました。従来のインプラント治療では、埋めたインプラント体がしっかり骨と結合するまで入れ歯で何ヶ月~1年我慢して頂くという手法がとられていました。「患者主導」、「患者本位」とは言い難い日常生活の不自由さを強いる結果となっていました。


図Aの方は、青四角の歯牙5本(1本はブリッジのポンティック)が歯周病でぐらぐらでした。
6本連続して歯牙が欠損した場合、治療法としては、入れ歯かインプラントという選択肢になります。

ただ、埋めたインプラント体を利用しないと、即日固定式の仮歯は装着できません。図Bが抜歯したところです。唇側(表側)の骨は広範囲に裂開していました。図Cのような外科用ステントを指標に、図Dのように、インプラントを5本埋入しました。骨の状態の良くなかった一箇所は、ソケットプリザベーションという手法で骨造成のみし、ポンティックとすることにしました。

私の場合、即時加重の指標として、図Eオステル・メンターISQ値(共振周波数)で70以上、埋入トルク(45N以上)としています。この数値を得るためには、いろいろなテクニックが必要です。図Fが仮歯をネジ止めで装着したところです。

図Gが正面観です。繰り返しになりますが、オペ当日に入れ歯になって帰宅するか?固定式の仮歯で帰宅するか?は、患者さんのその後の生活にどれだけ違いがあるかは、想像できると思います。

D

G

次の図H~図Oは同じ方です。「交通事故で前歯6本が折れて」の来院です。図H、Iのように6本が残根状態で、歯根部も何箇所か割れていました。誰の目にも保存不可能なため図Jのように抜歯しました。案の定重度の外力が加わると、図Kのようにほとんどの場合、唇側側の骨が飛んで無くなっています。即時負荷には非常に不利な条件となります。

そこで、図Lのように広範囲な骨造成と6本のインプラントを埋入しました。図Mが縫合直後です。唇側への骨造成には、自家骨に吸収速度の遅いHAやメンブレンを使用しています。

しっかりとボリュームがほしい場合と、少量の骨造成で良い場合、垂直的か水平的か?一壁性の骨欠損か2壁以上か?など、GBR(骨造成)の手法、補填剤の種類も使い分けが必要です。話が逸れますが、最新の画期的なGBRの手法がトピックスとして世界を駆け巡っています。またの機会にお話します。

図Nが仮歯を装着したところです。初期固定の悪かった2本は、即時負荷をかけませんでした。図Oが正面観です。臼歯部(奥歯)の咬み合わせを若干挙上して、前歯部分に負担をかけないように配慮しました。

K

上記の2ケースへの治療法として、即時負荷はかけずに、ステージアプローチ(抜歯とGBRのみ、あるいは埋入まで)を選択される歯科医も多いと思います。昨今の流れからすると、歯科医側が一方的に考える保守的な治療というのが私の印象ですが・・・。

インプラント治療は、骨があるところへ埋める「外科主導」から咬み合わせや審美面を重要視した「補綴主導」へと変遷してきました。そして、最近では、「患者主導」というキーワードがあります。

患者さんが何を求めているのか?治癒期間を待っている間も口腔機能を落とさないためにはどのような治療法が提案できるか?そのために歯科医ができることは?

何を基準に治療法を決定するのか?ということです。一方的に歯科医側が決定していませんか?
私の場合、患者さんに提案する治療プランに迷った時、そのケースが自分あるいは家族へのインプラント治療だと想定するようにしています。

当医院では、上記の2ケースのような多数歯欠損に対して、外科と補綴を同日に行いかなりの時間を要する「Teeth in one day treatment」 から次のステップとして、「Teeth in an hour treatment」 へ移行しています。取り組みの詳細については、データを集めている最中です。

「良い治療とは、患者さんの要望に最大限答えることができ、治療後の結果に十分な満足度が得られること」だと信じています。そのためには、多用なニーズ、ケースへ柔軟な発想、提案ができる歯科医でありたいと常に思いながら、日々奮闘しています。

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