第177回 GPによる本格矯正マスターコース(第8回)
この日曜日(10/16)は、当クリニック主催の「GPによる本格矯正マスターコース」の第8回目を行った。約20名の受講生とともに、反対咬合(受け口)の診査・診断・治療法を中心に一日学びの時間を共有した。8回目ともなると、受講生同士も気心知れた仲間という感じで、わきあいあいとした雰囲気の中進められました。
タイポドント模型(ワックスで人工の歯を固定した模擬模型)を使用しての実習は、歯を実際に移動させるので、矯正力をかけたとときの変化を治療と同じ形でイメージすることができるとても有益な実習である。毎回思うことだが、参加者全員本当に熱心に取り組んでくれるので、私自身講師としてもやりがいを感じている。
当クリニックでの症例を閲覧しつつ、治療上のポイントに触れ、GP(一般臨床家)でも取り組みやすいシンプルな術式・テクニックを教示させて頂きました。
矯正治療に使用されている材料はたくさん存在します。あまりにもたくさんの種類がありすぎて、どの材料を、どの装置に、どのケースに、といった素朴な疑問が多々あると思います。乱立している材料の使い分けを適材適所で使い分けるための知識が必要になってきます。
この1年の矯正コースを通じて、発想豊かな柔軟性のある歯科臨床を行うためには「矯正」という分野への取り組みが不可欠であることを実感して頂いています。”他の分野と並列で思考できる目を持つこと”が出発点になります。
バンド冠のろう着や最低限習得必要なワイヤーベンディングといった技工的な実習も取り入れながら、コースを通じて3種類のブラケットを実際に使用し特徴を理解して頂いています。2ケース(Ⅱ級とⅢ級)のタイポドントを実習できる充実した内容にもなっています。
一人でも多くの歯科医に、ルーティーンで矯正治療が行えるようになってほしいと思います。なぜなら患者受益になるからです。
何人かのドクターの要望があり、2012年度は、審美治療には欠かせない舌側(裏側)矯正のコースも計画しています。
偏在した治療提案ではない”多様なニーズに多彩なオプション提示を平等にできる歯科医”こそが、”かかりつけ医、開業医の目指す道”と考えます。