第118回 1年コースの始まり
先週金曜の夜から土日にかけて、2泊3日で東京にいた。1年間、計12回(各回2日)の長丁場の研修コースへの参加のためである。
目的は、コースの内容よりも、日頃の臨床での疑問点を、名実ともに日本の歯科医療を牽引している充実した講師陣とディスカッションしたい、ぶつけてみたい、という思いがあった。
参加者は私以外は全て東京近郊からの出席であった。懇親会で話を聞く限り、卒後10~15年前後の開業医として王道を順調に歩んでいる方々という印象を受けた。
スキルアップへの並々ならぬ情熱、理想の歯科医像について語り合いました。
私は、年齢だけから言うと、歯科医人生の折り返し地点付近に立っている。これからの復路をどのように走れば良いのか?サイエンスに基づいた確実性のある治療をするための道しるべ、きっかけになる講習、出会いとなれば、と考えている。
少人数、実習中心、そして各講師陣は、学術本を多数出版している方ばかりである。1300名を超えるスタディーグループを指揮しているトップ10の顧問、理事の方々である。
講習内容は、参加者のレベルに合わせて行いたいとの意向からか、まず、各自に模擬的ではあるが症例発表が課せられた。問題点の抽出、プランニングの立案の根拠、テクニカルワードの使用法など、細部に渡ってディスカッションされた。
初日から非常にレベルの高い、そして厳しい内容で、実に収穫の多い2日間であった。この1年で私自身の臨床が、飛躍的に整理され、変貌することは間違いない。
土曜日の懇親会後、数人のドクターたちと、渋谷、原宿、表参道といった今が旬の街並みを散策した。夜10時を過ぎていたが、都会の風情を感じつつ、良き交友関係の始まり、今後の拡がりに期待を膨らませつつ、翌日の講習に臨んだ。