第541回 食育④~成人期~
成人期は、社会的責任が重くなり、労働時間が長くなる傾向があり自己の健康管理に費やす時間的余裕が少なくなりがちです。結婚・出産・育児などにより生活環境も大きく変化します。
そのため、多忙になり医療機関への来院が滞りがちになります。
健康診断では経過観察の数値はあるが、重度化していないためこの時点ではさほど気にしない事が多く全身疾患や生活習慣病の発症へ繋がる可能性がたかくなります。
実際に仕事が忙しかった・介護が大変だった・子育てが一段落したなどで約10年振りに歯科へ受診と言われる方もしばしば来院されます。数年振りに来院される方の多くは、虫歯や歯周病がかなり進行してしまっていて痛みが出ていたり、食事がおいしく食べられないなど重篤な症状をかかえられています。
☆ 成人期の食生活の問題点
この時期は仕事上の付き合い等で過度の飲食・飲酒・喫煙などにより食生活が乱れてしまいがち
です。また、多忙により食事時間や食事内容が不規則になりやすく、栄養バランスの偏った食生
生活になりやすい傾向にあります。
嗜好品の過剰摂取によりメタボリックシンドロームになり、全身疾患や生活習慣病にもつながり
やすいためこの時期に規則正しい食生活を心がける事が大切です。
☆ 成人期の口腔の問題点
35歳~69歳の年齢層で口腔内に問題をかかえている方は約80%と言われています。
サイレントディジーズ(沈黙の病気)と言われる歯周病は自覚症状がないまま進行していき、
気付いた時には重度に進行し口腔内全体が破壊してしまう事も少なくありません。
多忙な方も多いとは思いますが毎日のセルフケアと、継続した歯科受診を心がけて口腔内をケアする事が一生自分の歯でおいしく食べ続けられる事にも繋がります♪