第532回 TCH(歯列接触癖)
CHとは、”Tooth Contaction Habit”歯列接触癖の略で、上下の歯を持続的に接触させる癖のことです。
上下の歯を持続的に接触と聞くと「かみ締め」や「食いしばり」が第一に思い浮かぶかもしれませんが、テレビを見ている時・パソコンをしている時など何かに集中していてふと一息をついたとき顎が疲れている・・・という事ありませんか?
本来上下の歯は何もしていない時は全く接触はしておらず離れています。
会話や食事をする際に接触する時間を含めても上下の歯が接触しているのは1日20分程度が正常だと言われています。
しかし無意識にどのくらい接触していたかも中々気付かないかもしれませんが、上下の歯が接触する程度でも筋の緊張・疲労が生じ顎関節への負担が増え疲れた感じや痛みが生じてしまうのです。
「かみ締め」や「食いしばり」のことを専門用語でブラキシズムといい、TCHもブラキシズムの一種ですが大きな違いがあります。それは噛む力の強さと自覚の有無です。
噛む力が強いと「噛んでいる」と自覚して噛むことを止めます。また筋肉の疲労もすごいので長時間におよぶことはありません。
しかしTCHは単に歯が接触するだけなので噛む力の強さというのは弱いです。なので自覚しにくく、長時間におよぶこともあります。
TCHに気付かず上下の歯の接触が頻繁にある人は、歯の根と歯槽骨の間にある膜状の組織の歯根膜の反射が鈍くなってきます。(歯根膜により歯に加わるかむ力を和らげる役目やかみ合わせ・咀嚼運動・顎の位置に関する情報が送られています)
TCHの治療(改善方法)としては、テレビを見ているとき・パソコンをしている時等に起こりやすいので、何かTCHを行っているか確認するための写真でも置物でも良いので隅に置き、それを見たら上下の歯が接触していないかどうかを確認しもし接触していたら話すということを繰り返すという認知行動療法を応用したリマインダー方が有効とされています。
まだ症状にすら気づいていないかもしれないので、何かに集中している時ふと意識して自分の上下の歯がどうなっているか確認してみて下さい。