第531回 ファイバーコア
虫歯が大きく神経まで菌が到達している場合は歯の神経をとる治療が必要になります。歯の神経を取った歯には歯の土台を作る必要があります。
その土台のことをコアと言います。
神経を取った歯は、歯の壁が薄くもろくなり割れやすくなってしまうため、歯の補強のために神経のあった部分に土台をいれなくてはなりません。
神経をとった歯の根が割れるのを防ぐために効果的なのが、ファイバーコアと言われる歯の土台です。
歯の土台は様々な材質があります。
一般的に保険治療で多く使われている物でメタルコアというものがあります。
今回はファイバーコアと金属のメタルコアの違いをご説明します。
<ファイバーコア>
細いグラスファイバーの繊維を樹脂で固めたピンにグラスファイバー強化型樹脂で土台の形に作られているものです。
金属の土台と比べると、適度なしなやかさがあり噛む力によっての衝撃を吸収することができ、歯の根に負担をかけにくいものになっています。
歯と近い硬さなので歯と一体化しやすくなっているため全体的に適度な強度があります。
またファイバーコアは見た目が白く、オールセラミックなどの金属を使っていない被せを入れる場合、金属の土台よりも透明感がありより審美性の高いものになります。
<メタルコア>
金属の土台は硬さがファイバーコアよりも硬く、噛む力の衝撃が歯の根に伝わりやすくなります。そのため歯根破折が起こりやすくなります。
割れてしまった歯の根は亀裂から細菌が入り込み、さまざまな症状がでます。
噛んだときの痛みや、歯茎の腫れや痛み、歯を支えている骨を溶かします。
割れてしまった歯の根は基本的には抜歯になります。
また金属の土台は主に銀合金が使われているため、長年の使用で銀が溶け出し、歯や歯茎に浸透し被せの際が黒くなったり、歯茎が黒ずむことがあります。
銀が溶け出すと、金属アレルギーになる可能性もあります。
ファイバーコアは金属を使っていないため、このようなことは起こりません。
また金属アレルギーの方にも使用できます。
様々なメリットがあるファイバーコアですが、自費治療になるため費用は金属の土台に比べると高くなります。
興味のある方は気軽に声をかけて下さい。