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第516回 小児の矯正

矯正のイメージとして、歯を抜かないといけないというイメージがありませんか?子供の歯を抜くのは避けたいという親御さんの声も日々の診療の中でよく耳にします。 矯正を始める時期やどのような装置を使うかによって、健康な永久歯を抜かずに歯並びを治すことができます。

床矯正

歯並びが悪くなる原因の1つとして、多くは永久歯が並ぶスペースが足らないことが多くあります。ガタガタの歯並びは顎の成長不足の場合が多くあげられます。

子供のころに正しく顎が成長すれば永久歯が生えてくるスペースは確保できます。そのために使用するのが床装置です。

床装置は型取りをして装置を作ります。なので型取りができる年齢から始める事ができます。顎の成長期に使用するとより効果的なので、子供のころから始めることが大切です。

このようにネジがついていて、患者さんご自身(ご両親)がネジでの拡大を行います。拡大するペースとしてはネジ穴の端から端までが、90度です。90度を1週間かけて回していただきます。 このペースだと1ヶ月に約1mm広がります。 広がるペースは個人差があるので早く広がる方、ゆっくりの方さまざまでその子にあったペースで拡大をすることができます。 ネジを回して装置をはめてみると痛いこともあります。そのような場合でも少しネジを戻してあげることがご自宅で可能です。

装置を入れる時間について

装置は毎日14時間以上は入れましょう。

14時間の間に1度も外せないのではなく、1日の入れている時間が全部合わせて14時間以上になるようにしましょう。

食事の時や学校での音楽や体育、国語や英語での発音が大切な授業の時には外しても大丈夫です。

入れている時間が長ければ長いほど効果的です。

歯は戻ろうとする力が強いので、1日の半分以上外していると歯が戻ってしまいます。歯が戻ってしまうと装置だけが広がった状態になり、歯と装置が合わなくなってきます。 こうなると歯が動かず矯正が進まない、装置が痛くてはめれないなどのトラブルが起こってきます。 なので1ヶ月に1回は歯科医院でのチェックが必要です。 装置の合いをみたり、きちんと矯正が進んでいるかの確認を行います。 顎の成長に合わせて装置を作り替える必要があるので、必ず定期的に来院することをお勧めします。 子供さんの歯並びについてお聞きしたいことがあれば、いつでもご相談ください。

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