第479回 喫煙者のお口
喫煙が健康に悪影響を与えているのはご存じですよね。
喫煙はお口の中にも悪影響を与えるんですよ。
1.歯周病や虫歯
喫煙は唾液の分泌を抑制するため、唾液による自浄作用が減って口の中が
不潔になります。そうなると歯周病や虫歯の原因になる歯垢や歯石がつきやすくなり、歯周病や虫歯になりやすくなります。
また煙草に含まれるニコチンは、歯茎の血管を収縮させ血液の流れを悪くします。酸素や栄養がいきわたらなくなると、歯茎の抵抗力は弱くなり歯周病は進行しやすくなり歯の喪失を早めます。
歯周病は早期発見をすれば歯石や歯垢を除去する治療で改善します。
しかし慢性的な歯周病はあまり症状がでないままジワジワ進行します。
歯茎の腫れや出血は歯周病に気づくサインですが、喫煙者の歯茎からはこれらの症状が表れにくいのです。でもこれは決して歯周病が軽いというわけではありません。
タバコに含まれる化学物質が歯肉出血を減少させたり、歯肉表面を硬くすることで歯周病の症状が隠されてしまうのです。
2.歯茎の変色
喫煙により歯にタール(発がん物質)が付着し、ニコチンの影響で毛細血
管が収縮し歯茎は暗紫色になります。
粘膜にメラニン色素の沈着が進み本来のピンク色の状態から、徐々に黒ずんできます。
健康な歯ぐきの色
喫煙者の歯茎の色
タバコの煙は子供の歯茎にも影響があります。
タバコを吸っていない子供の歯茎がどうして黒ずむのか・・・
副流煙が原因です。
副流煙にもニコチンやタールが含まれているため、喫煙者と同様に歯茎の毛細血管がつまったり、黒ずむのです。
3.口臭
タバコに含まれるタール(ヤニ)が独特の臭いを発します。
タールは舌や歯、歯石や歯垢などにも付着するため、口腔内にもタールの
臭いが残りそれが口臭の原因になりやすいのです。
また歯周病が進行するとヤニの臭いと歯周病の臭いが混ざり、より強く口
臭を感じやすくなります。
タバコをすぐにやめるのは難しいと思いますが、健康なお口のためにもやめることをおすすめします。