第107回 診療ナビゲーション・・・⑭(リテーナー)
今日は、矯正治療を行っているEちゃんが来院しました。
マルチブラケットという装置をつけて、歯を3次元的に移動させていましたが、今回からマルチブラケットを取り、リテーナー(保定装置)を使用してもらうことになりました。
前回までの青い矢印のところにバンド冠(金属の装置)をつけていましたが、リテーナーを作るのに、歯の内側にきっちり合ったものを作るためにバンド冠を取り、左写真の状態で歯型を取りました。
そして、今回はブラケットを取り、リテーナーを使用してもらうことになりました。
まず、ブラケットを取ります。
取ったものが左の写真です。
歯の表面に特殊な接着剤でつけているため、超音波スケーラーという道具で、歯の表面を傷つけることなく接着剤だけを取ります。
さらに、歯の表面を左の写真の道具(ブラシコーンやカップ状のシリコンゴム)を使って、ツルツルピカピカに磨いていきます。
また、フッ素配合のジェルもすり込んでいきます。
そして、これが前回、歯型を取ったもので製作したリテーナーです。
リテーナー(保定装置)とは矯正治療で理想的な位置に移動された歯や顎がしっかりなじむまで保持する装置で、『後戻り』を予防するために必要な処置であり、装置です。
歯の移動とは、歯の周囲の骨が溶けたり、新しくできたりすることで移動していきます。
このため、歯の移動が終了した後も歯と周囲の骨はしっかり固定されていないため、後戻りしやすいのです。
リテーナーの使用は最初、食事と歯みがきの時以外、1日中してもらいます。徐々に使用時間を減らし、歯がしっかり固定したことを確認して、矯正治療の終了になります。だから、この患者様にもあと少し頑張ってもらいたいです。
矯正の治療方法が個人で違うように、リテーナーにもいろいろな種類や方法があります。
この患者様には上の写真のような形が良いと院長が判断されました。
リテーナーの色やシール、名前の有無は患者様本人に決めてもらいます。
当医院ではいろいろ取り揃えております。