第24回 只今、妊娠9ヶ月
妊娠中、「歯ぐきが腫れた」「出血する」などを理由に来院される方は少なくありません。そんな方々には、「妊娠中はつわりで歯磨きがおっくうになったり、ホルモンのバランスがくずれて、唾液の性質が変わったり、抵抗力が弱くなるので歯肉炎をおこしやすいんですよ。」なんてお話ししていました。
実は私自身、只今妊娠中なのです。早いもので9ヶ月目を迎えました。初期のつわり時期は、まわりから「つわりは大丈夫?」などと心配してもらえるものですから自分でもどんなことになってしまうんだろうと思っていました。きっとテレビでよくみかけるように、ひどい吐き気におそわれるんだわ!と思っていたのに、実際はあれが食べたいな、これは食べたくないな、と食べ物の好みが変わった程度で、ずい分と軽いつわりだったように思います。
ただ1つ、私を困らせたのは眠気です。仕事をしていたり、何か体を動かしていればそうでもないのですが、ちょっと横になるとあっという間に眠ってしまうのです。休みの日など、食べるか寝るかで1日が終わってしまったり、夕食後、テレビを見ながら歯磨きをせずに眠ってしまい、気がつくと明け方だった…なんてことも1度や2度ではありません。
いつも患者さんに、「寝ている時は唾液の量が減るので、細菌が繁殖しやすくなります。歯ぐきや歯の健康を保つには、寝る前の歯磨きが大切です。」と話しているのに、私のバカバカ!と半ベソで夜中に起きては歯を磨きました。そんなうしろめたさもあり、意識のはっきりしている時は、30分から長いときは1時間かけて歯磨きをしました。
つわりにもいろいろあるようで、最もよくみられる、吐き気や胃のムカムカの他、食べていないと気持ち悪くなる食べづわり、体がだるくて何もする気が起きない、などさまざまな症状のため、歯磨きが十分にできないこともあるかもしれません。自分の症状にあわせて歯磨きを工夫してみてください。まめに口をゆすいだり、歯磨きの時、気持ちが悪くなるようであれば、食塩で磨いたり、歯磨き粉をつけずに磨いてみましょう。また、1度に全体を磨くのではなく、何回かに分けて磨いてもよいでしょう。
それでもむし歯や歯肉炎になりやすいには事実です。私も自分の口の中が心配になり、当医院にて歯科健診を受けました。歯ぐきには異常ありませんでしたが、恥ずかしながらむし歯が1本ありました。小さいむし歯だったので、1回で治療を終えることができました。石井歯科医院では妊婦さんの無料歯科健診を行っていますので、体調のいい時にみなさんもぜひ利用してみてください。
8ヶ月をすぎるとブドウ糖が赤ちゃんに優先的に送られるようになるため、甘いものが食べたくなるようです。暑さも手伝ってジュースやアイスクリームが欲しくなります。歯と体のためにもアイスクリームは箱入りの小さいのを1日1個までと決めました。あとは、麦茶をお供に暑さを乗り切る予定です。