第65回 ”耳鼻科医”と「歯科用CT」
昨日は、東京までほぼ月一で開催される矯正のスタディーグループのミーティング、セミナーに参加しました。会員になって、今年で8年目である。9割以上が矯正専門医で構成されていて、非常にレベルの高い、そして何よりグローバルな情報がいち早く入手できるのがうれしいです。
9月には名古屋で大きな大会が開催されます。そこで、私がケースプレゼンをすることが早々と決まりました。身の引き締まる思いである。
先週、先々週も東京に行っていた。そして、来週の連休(4/29,30)も東京である。今月は4回も東京に行かなければいけない。残念かな旬の学習をするには、やはり都会にいかなければ難しいというのが実態である、と常々感じている。東京に行く時は、必ずアポイントをとる友人が何人かいる。明日からの臨床のヒントを探し、吸収したい、という思いがあるのと、実際多くの気づきを頂ける。
さて、タイトルの話を少しだけします。
全ての歯科医は、ほぼ毎日口の中だけを診て仕事をしている。そのため、来院した方の主訴の原因を口の中にある、という前提で考えてしまう。
私も同類である。だが、実はこの発想はとても危険である。口に中に症状があっても、原因が口の中には存在しない場合がよくある。
逆のことも言える。口の中に原因があるにも拘らず、医科(耳鼻科、内科、外科、整形外科・・・)に来院したために、原因がわからないままの対症療法に甘んじ、症状が軽減しない場合もある。
そこで、私は、医科との連携は非常に大事である、と常々感じている。幸いにも、何人かの友人がいる。特に、顎顔面領域を範疇にする医科のドクターとのコンタクトは、診断上、必要不可欠である。定期的にディスカッションを重ねている。
その中の友人の1人である耳鼻科医が、当医院に「歯科用CT」が設置されたことを知り、とても興味があるので見せてほしい!是非自身のCT画像を検証したい、といって、先日早速撮影しました。
”なるほど、すばらしい!”というのが、彼の第一声でした。最新の医科用CTでも0.5㎜スライスの断層像なのに対し、当クリニックに設置されている歯科用CTは、0.2㎜スライスのしかも512枚の画像を10秒で撮影可能です。非常に高解像度です。医科用に比べ、非常に低被爆なのも魅力的だといっていました。広範囲撮影も可能で、耳鼻科領域は、全てクリアされています。
今度、彼の紹介で、数名の耳鼻科医を対象に「CT内見会」を行うことも決まりました。医科の先生方とのいろいろな交流、コラボレーションは、今後の当クリニックが向かうべき方向の道筋の一つと考えています。
私が思うに、国の政策、保険制度などを見ていますと、医療の中で、歯科だけがおきざりにされている感を否めません。今後、益々その傾向は強まることは、必至です。個人レベルではあっても、アクションをかけなければ何も変わらない、歯科の重要性を訴え、国民のための医療に貢献したいという思いがあります。
”国民のための医療”という原点で発想すれば、本来、”医科の中の歯科”、”医科の一分野の歯科”であるべき、あるはずです。
微力ですが、私個人として、開業医レベルでできる医科との密な連携、コンビネーション的な治療を推進していきたいという思いを強く感じる昨今です。