第4回 医療費探検隊 治療費はどうなっているの?(混合診療編) 前編
今回で第4回目になります。
朝日新聞に医療費探検隊という暮らしのページがあるのをご存知でしょうか?
2002年1月31日に掲載された 「歯医者さんの不思議に迫る」 について私なりの見解をお話したいと思います。
掲載内容が少し多いので、2回に分けました。まずは、掲載記事の全文をじっくりご覧下さい。
「混合診療」というのは、前述の記事の通り禁止されています。当然の既成事実です。
上述のアンケート結果によると、神奈川県などの歯科医を対象にしたアンケートで 約半数が禁止行為を知らない、と答えているのは驚くべきことです。 勉強不足どころか不謹慎極まりないことです。保険診療は、一定のルールの上に行われていますので、全国どこの歯科医院でも同じ治療が行われれば、同じ治療費になります。厚生省がコメントしているように、ブリッジの場合、全体を一つの装置と考えますので、1本でも保険適用外の歯を使用すると、 ブリッジ全体が保険適用外の治療になってしまいます。白い歯を奥歯(糸切り歯より後ろの歯)に入れたい場合、例外もありますが保険適応外になるケースが増えてしまいます。
患者さんにとっては非常にわかりにくい面ですので、歯医者さんに 「保険適用外の治療になりますねー」 、と言われた場合は、前回の <いい歯医者さんとは? 悪い歯医者さんとは?>後編で触れましたが、納得いくまで説明してもらって下さい。 もし、少しでも疑問な点があれば、別の歯医者さんに行くかE-mailで相談するのも一考です。
最初にお話しましたように混合診療は禁止ですので、保険診療でできる範囲は全国一緒です。 この点は覚えておいて下さい。
では、自由診療の治療費にばらつきがあるのはなぜでしょうか?
保険診療のようにルールがありませんので、例えが悪いかもしれませんが、 歯医者側の言い値に対し患者さんが納得すれば契約成立ということになります。宝飾品の値段を想像してみて下さい。 100万円の値札のダイヤの指輪を見て、何て美しいの、すごく安いわ、と思う人もいれば、1万円だすのもおしいわと感じる人もいます。歯の治療は、物の売り買いではないのでもっといろいろな要素が加味されてきます。
患者さんからすれば、 1本の歯への思い歯への価値観がどの程度なのか?歯医者への信頼度(技術、人として)がどの程度あるか? 逆に、歯医者側からすれば、材料代、人件費等のコストのほかに、自分の技術に対しての評価、 医療人としてのプライドなどがプラスされ治療費が提示されるのです。
とはいうものの、やはり自由診療にもある程度の相場、平均というものがあるのではないか?と考えるのが自然です。 あります。詳しい話は次回お話しますが、上述の記事の中に出てくるセラミックの歯1本9万5千円、 金属の歯1本4万円は高いです。
広い価格幅がなぜ生じているのか?患者さんは何を基準に自由診療に踏み切ればいいのか?等について次回(第5回)お話します。