第598回 非抜歯矯正
歯並びにコンプレックスを抱えている方はたくさんいらっしゃると思います。
歯並びには個人差があり、どのように歯を動かすかも人それぞれです。
前回は歯を抜いて歯を動かしていく抜歯矯正の一例をご紹介しました。
今回は歯を抜かずに行う非抜歯の一例をご紹介します。
歯を並べるスペースが不足していて歯ががたがたしています。(叢生)
歯を動かしてきれいに並べるためには歯が動くためのスペースが必要です。
歯を抜いてスペースを確保するのではなく、人工的に歯と歯が接する部分の歯質をわずかに削ってスペースを作っていく方法をディスキングと言います。
ディスキング以外にも、IPR(Interproximal enamel reduction)、ストリッピングやスライシングなどとも呼ばれています。
ディスキングでは、歯の表層にあるエナメル質だけを0.5ミリ程度まで削ります。
重なりが大きく歯と歯の接しているところが削れない場合は、削れるところだけを最初に削ってからある程度歯を動かします。
重なりがある程度ほどけた状態で、再び削っていきます。
ディスキングでスペースを作った後、ある程度歯が並んだ状態です。
隙間がなくなり、きれいに歯が並びました。
ディスキングでは健康な歯を削るため、虫歯になりやすくなるのでは?と心配される方もいらっしゃいますが、きちんと研磨をすればほとんど虫歯のリスクが高くなることはありません。
歯を抜いて行う抜歯矯正よりも治療期間が短くなり、後戻りもしにくいです。
適応かどうかは検査をしてみての判断になります。
ご自分の歯並びにコンプレックスを抱えている方は、一度検査をされることをお勧めします。