第567回 知覚過敏
知覚過敏は、歯のエナメル質の内側にある「象牙質」と呼ばれる歯のやわらかい部分の露出が原因で起こります。 健康な歯の表面はエナメル質で覆われているので、食べたり、熱いもの・冷たい物を飲んだり、歯磨きをしたり等・・・外側からの刺激を遮断する役割を果たしています。しかしこのエナメル質がはがれたり、歯周病や加齢で歯グキが下がったりして象牙質が露出すると、歯髄に直接刺激が伝わるようになり、シミる不快感や瞬間的な激痛を引き起こします。
生活の中に潜んでいる知覚過敏になってしまう原因を紹介します。
■無理なブラッシング ハミガキの回数が多すぎたり、力を入れすぎたり、また毛先が硬いハブラシを使ったりすると、歯の表面のエナメル質を削り取ってしまう可能性があります。すぐにすぐエナメル質が削り取られるわけではありませんが、こういった良くないブラッシングの癖を日々続けていると、気づかないうちにエナメル質が取られている、また歯グキが下がる原因にもなり、象牙質の露出が進む場合もあります。
■歯周病 歯周病により歯周組織が炎症を起こし、歯グキが退縮して象牙質の表面が露出すると、知覚過敏を引き起こすことがあります。
■歯ぎしり 睡眠中に歯ぎしりをしたり、頻繁に歯を噛みしめていたりすると、歯の表面のエナメル質がはがれ、その下にある象牙質が露出する場合があります。
■歯グキ後退 ハミガキの回数が多すぎたり、力を入れすぎたりすると、歯グキが下がったり後退する場合もあります。
【自宅でもご自分でできる知覚過敏を防いだり進行を食い止める改善法・・・】
●歯ブラシの圧を弱くする※歯ブラシの毛先が多少しなる程度の力で磨くと良いです。また固めの歯ブラシを
いる方は普通~やわらかめにかえてください。
●知覚過敏用の歯磨き粉を使う
知覚過敏用の歯磨き粉は、硝酸カリウム(カリウムイオン)という薬用成分が含まれています。この成分が歯の神経の周りにバリアを作り、知覚過敏を軽減させます。
●日中に歯のくいしばりをしていないか意識して確認し、歯と歯をくっつけずくいしばりの癖を減らしていく。
【歯医者で行う治療法】
●歯がしみる部分に知覚過敏用の薬を塗ります。何度か繰り返し塗るようになります。
●コーティング剤で保護する
歯のしみる部分の表面にコーティング剤を塗ることによって症状を軽減させます。そのコーティングがはがれてしまうと症状が戻ってしまうこともあるので、しみるようなら再度塗ります。
●削れた部分をプラスチックで詰める
歯の根元が削れてしみる場合は、削れている部分にプラスチックを詰めます。削れてしまっている歯の根元は
汚れもたまりやすく知覚過敏が治りにくいところです。プラスチックをつめることによって歯磨きもしやすくなります。
●くいしばり防止の為のマウスピースの作製
歯ぎしりが強い方はコーティングやプラスチックを詰めても剥がされてしまうことが多いため、マウスピースで保護します。
●歯周病治療
歯周病の治療をすることによって歯茎をがこれ以上下げないようにし、歯茎が下がったり歯が揺れることによる知覚過敏の軽減をします。
日常生活に困ることはないけどたまにしみるな、という方も症状がひどくならないうちに1度早めに検診にきてみて下さいね!