デンタルQ&A
床矯正について女性 40代 2003/05/11
- Q
- 八重歯の手前の歯が1本へこんでいて、下の歯が少しずれて重なっている程度なのですが、近くの矯正歯科で”1年くらいで、何とかできると思うが、抜かなくてもいいが今より少し前に出る”と言われて悩んでいます。私はヘコミ気味の歯が理想なので、奥歯を移動でき、短期間の所を希望しています。床矯正は、取り外しができて、コストもかなり安いと書いてありましたが、成人でも可能なのでしょうか?子供も7才なので見てもらいたいと思います。
- A
- 八重歯の手前の歯(側切歯といいます)がへこんでいるのと、下の歯が重なっているということは、上下とも叢生(乱杭歯)という歯列不正に分類されます。
叢生とは、歯の大きさの総和に比べ、顎が小さすぎるため、程度の差はあるもののガタガタの歯並びになっている場合をいいます。叢生の一般的な治療法は、非抜歯で行うのでしたら、顎を側方又は、前方へ大きくして歯が並ぶスペースを作るか、歯を前方へ出すか後方へ動かしていって前歯が並ぶスペースを作るかです。
僅かな叢生の場合は、ジスキングといって歯と歯の間を何箇所か少し削って歯が並ぶスペースを作る手法もあります。叢生の程度が重度の場合は、抜歯しないと難しい場合もあります。床矯正というのは、入れ歯のような取り外しの装置に組み込まれた拡大ネジによって顎や歯を動かしていきます。
顎が柔らかい小児の方が歯や顎はスムーズに動きます。取り外しの装置ですので非常に衛生的ですし、食事中や歯磨きの時はははずしてかまいません。ただ、一日のうち12時間~16時間は装着していないと治療は進みません。
前歯のスペースを作るために奥歯を後ろへ動かす、というのは、どのような装置を使用しても時間のかかる作業です。親知らずがもしある場合には、矯正前に抜歯が必要です。床装置の場合、装着時間が短いと、装置と口の中の形が合わなくなってしまうことがよくあります。装置の大きさが気になる方もいます。
成人の方でも床矯正は可能ですが、装置に慣れるまでに少し時間がかかるかもしれません。叢生の程度や上下のかみ合わせがどうなっているのか不明でしたので、推測も含まれてしまいますが、成人の方の場合、床装置自体になかなか慣れることができず、途中から固定式の装置にかえる場合もあります。
費用的には、固定式の装置の約半分くらいですみます。一番重要なのは、主訴(どこをどのようにしたいのか?)と、治療をする上での希望点や、ゆずれない点、優先順位は何か?です。治療期間はどれくらいまでならいいのか?費用は?抜歯の有無、歯を削る(ジスキング)の有無、固定式装置と可撤式(取り外し)装置の長所、短所などです。
例えば、最近では、インプラントや簡単な外科処置を併用した短期間(6ヶ月以内)で終われる矯正治療も可能ですし、歯の裏側に装置をつけた全く見えない矯正も可能です。また、歯を削ることにそれほど抵抗感がないのでしたら、1~2ヶ月で治療が完了する補綴矯正という方法もできます。
現在、矯正治療には、いろいろな手法があります。床矯正も一つの方法ですが、長所、短所の両方があります。患者さんにいろいろな方法を提示することが、重要と考えています。
矯正と前歯について女性 20代 2003/04/24
- Q
- 矯正歯科に相談に伺ったところ、矯正の準備としてまず虫歯を治すよう言われました。私も自分で気付いているだけでも明らかに2本は虫歯があります。この2本はかなり重症になっていて、もう抜くしかないのでは?というお話でした。
矯正の先生は、矯正をする際1番を抜歯して2番の歯を1番の位置にもってくること、歯の高さはそろえられるということ、ただし大きさは少し違うので付け爪の要領で大きさをそろえるか、大きいほうを削るか、ということを説明してくださいました。
この治療法は頭では理解できるのですが、私が矯正したいと思ったのは思いっきり歯を見せて笑えるようになりたいからでもあるので、今まで2番のところに八重歯だった犬歯が入るとなると、やはり左右対称ではなくなるので、またそれを気にして生きていくのはいやだなと思ったんです。
そこで、前歯の根が使えるようなら差し歯にしたいのですが、抜歯してしまうと根は残らないですよね?抜歯してしまうとあとはインプラントという方法しかないのでしょうか?
- A
- 上の一番前の歯を中切歯といいます。その横の歯を側切歯、その隣の歯が犬歯(糸切り歯)です。中切歯の1本を抜歯してしまうと、ご指摘の通り口元は左右対称になりません。
矯正で抜歯したスペースは閉じますが、前歯全体が左右対称に見えるように削ったり、被せにしたりしなければならず、修正したとしても、完全に左右対称にはできません。やはりできるだけ抜歯しない方向で検討したほうが良いと思います。
弱っている1本の中切歯の根が、実際どのような状況か文面だけではわかりませんが、とにかく残す方向で考えたほうがいいと思います。2,3の歯科医院で意見を聞いてみて、その歯の状況を十分把握してからでも遅くないと思いますが・・・。もし、どうしても抜歯するしか方法がないにしても、矯正で抜歯したスペースを閉じると、前述のように非常にバランスが悪くなるのでしないほうが良いと思います。
ブリッジかインプラントが望ましいと思います。矯正治療というのは、歯を削らない、というのが、大原則です。左右の犬歯間のいずれかの歯を抜歯した場合は、補綴的(被せやブリッジ、インプラント)に治療した方が、審美的に満足のいく結果になります。
非抜歯矯正について女性 20代 2003/04/16
- Q
- 非抜歯矯正の方法で、歯と歯の間を何箇所か削る(スライスカットという)処置があるそうですが、この処置だと、歯が虫歯になったりダメージが大きいのですか?というのも、実際、私は矯正を始めて1年経つ者ですが、最近、健康な前歯を両側1㎜ずつ削られて、ショックを受けています。
歯医者は、「エナメル質は削っても大丈夫だから」と言うのですが、こんなふうに、削っても大丈夫なものでしょうか?
- A
- 歯と歯の間を削って、歯が並ぶスペースを作る処置を”スライスカット”とか、”ジスキング”といいます。通常一箇所につき一歯の削除量は、0.25㎜以内で行います。ですから、歯と歯の間の削除量は、0.5㎜になります。
例えば、下の歯の左右の糸切り歯間には、歯が6本、スライスカットする場所が5箇所ですので、0.5㎜×5=2.5㎜までのスペース不足なら補えます。ジスキングは、歯を削る専用の道具(やすりのような金の板)で行いますので削りすぎることはないはずですが???
もし、一箇所で1㎜も削ると場所によっては、エナメル質の内側にある虫歯になりやすい象牙質の層がでてしまいます。冷水痛などの知覚過敏症状が出ても不思議ではありません。
いずれにしても、矯正治療というのは、歯を削らない、というのが原則だと思います。ジスキングは、歯が並ぶスペースを作る方法の一つですが、治療前の治療計画の立案の段階で、選択肢の一つとして患者さんに十分説明する必要があります。
ジスキング以外にもスペースを作る方法は、いろいろあります。私の診療所では、術前に”ジスキング”という方法もありますけど・・・”と、患者さんに説明しても、殆どの方は別の方法を選択します。きれいな歯を削る、しかも2以上の歯を削ることへの抵抗感があるのは、当然だと思います。
抜歯するより抵抗感は強いと思います。既に何本かの歯にジスキングが行われたとのことですので、今後のことを前向きに考えるしかないと思います。削った箇所にざらつきはありませんか?
表面に微妙な凹凸が残っていると、非常に虫歯になりやすいです。気になるようでしたら、歯科医院でつるつるに研磨してもらってください。フッ素配合の研磨剤を利用すると、さらに効果的です。
今後は、清掃補助器具(デンタルフロス、インタースペースブラシ、糸楊子)を駆使してジスキングした歯と歯の間に磨き残しが出来ないよう手入れすることも非常に重要かと思います。
裏側からの矯正の費用について教えて下さい女性 5歳以下 2003/01/16
- Q
- 前歯2~3本を裏側から矯正した場合のおおよその費用を教えて下さい
- A
- 現在の歯並びがどういう状態なのか全く不明ですので、お答えしにくいのですが、一般論としてお話しますと、矯正治療というのは、悪い歯並びになっている歯だけに装置をつけたのでは治療になりません。
例えば、1本の歯を動かす場合、その歯を押したり引いたりする力をかけなければいけないので、動かない場所(歯科用語では固定源という)を作ってそこから力をかけるようになります。ですから、2~3本の歯を動かす場合、多分奥歯まで全部の歯に装置をつけるようになると思います。
それから他にも考慮しておかなければいけないのは、噛みあわせです。例えば、上の前歯2~3本の歯並びが悪い場合、上の歯にだけ装置をつければよさそうですが、上の歯だけをきれいに並べることは可能ですが、下の歯との噛みあわせが、治療前と変わってしまいますので、前歯でうまく噛めなくなる可能性があります。ですから、原則としては上下全部の歯に装置をつけて治療することが多いです。
もう一点、歯並びを良くするためには、隙間が必要です。仮に、前歯2~3本が重なった乱杭歯(叢生といいます)とすれば、歯がきれいなアーチに並ぶためのスペースをつくることが必要です。歯列全体を横へ広げるか、前へ出すか、歯と歯の間を少しずつ削るか等、どうしても2~3本の歯の「治療だけでは無理な場合がほとんどです。
いずれにしても、歯列不正のタイプ、年齢、患者さんの希望、などを考慮して治療計画を立てないと費用、期間等が話しにくいというのが正直なところです。ただ、あえて、治療費について概算をお話するとしたら、自費治療になるというのはご存知かと思います。医院によってかなりばらつきがあると思います。
当医院の場合、歯の表からの治療(唇側矯正という)は、上下全部に装置をつけた場合、40万~70万ですので、上下全部に装置をつける舌側矯正の場合ですと、1.5倍(60万~105万)かかります。材料が高価なのと、技術的にも難易度が増しますので・・・。
治療期間についても舌側矯正は、唇側矯正の1.5倍くらいは必要かと思います。余談かもしれませんが、前歯2~3本だけを短期間に費用も抑えてきれいにしたいのであれば、補綴的な治療法(被せや差し歯にして見かけ上歯並びをよくする治療法)もあります。歯を削ることに抵抗感があるのでしたら無理ですが・・・。
舌側矯正は、当医院では、接客業(例えばスチュワーデス)などの方を中心に希望されれば行っています。費用と期間がどうしてもかかるのが難点です。
ジスキングについて女性 20代 2003/01/11
- Q
- 現在矯正歯科で治療中の成人です。上顎が過成長で正常歯列、下顎が正常成長で叢生歯列の上顎前突症例です。
約半年、エッジワイズとヘッドギアーを使用して歯並びは、ほぼアーチ状になりました。これから、下の前歯の幅を狭くするためにジスキング(エナメル質の一部を削る)をする予定になっています。その結果、アイスクリームなど冷たいものをかじると、歯に凍みるようにならないか、虫歯になるのではと懸念しています。ジスキングに関するセカンドオピニオンを頂戴できれば幸いです。
- A
- ”ジスキング”は、わずかな叢生を解消する場合に行われる処置です。エナメル質の範囲内での切削は、切削後十分な研磨を行えば虫歯になる心配はありません。
術後、歯が凍みることはないか?とのご質問ですが、切削量が多すぎると、冷水痛などの知覚過敏症状がでてしまいます。術前の診断で、叢生を改善するための切削量を正確に模型上で計測しておき、必要最小限にとどめることが大切です。
下の前歯の場合、一箇所のジスキングは、0.25㎜以内が安全といわれています。ですから、仮に前歯6本全部ジスキングするとすれば、1本につき両側で2箇所ですから、全体で12箇所すれば、最大0.25㎜×12=3㎜のスペース不足は解消できます。3㎜以上のスペース確保が必要な場合は、ジスキング以外の方法を検討する必要があります。ジスキングする場合の専用の器具がありますから、必要以上に切削することはないはずですが・・・。
専用の器具を使用せずに、目測での切削は、非常に危険です。もし、0.25㎜以上切削してしまった場合には、ご指摘のように、凍みる症状が発現しても不思議ではありません。
ここからは、私見になりますが、私は、ほとんどジスキングはしません。矯正治療というのは、歯を削ったり、被せたりせずに、歯の移動によってのみ歯並びをきれいにするのが基本だと思います。術前に患者さんに、選択肢の一つとして、ジスキングによる治療方法もありますよ!とお話ししても、なかなか理解されませんし、切削への抵抗感が強い方が多いです。わずかな叢生を改善するには便利な方法ではあるのは確かですが・・・。
矯正の金具について? 5歳以下 2003/01/06
- Q
- 歯のことを気にしてるのですが、治療中の金具が気になります。他にも透明なのもあるそうなのですが、一番目立つ金具が一番優れているそうなのです。それに、カレーを食べると白いものが、黄色になったりするそうで・・・。どうすれば良いのでしょうか・・・?
- A
- 治療中の金具が気になる、というのは、矯正治療時に使用する歯につけるポッチ(ブラケットといいます)のことでしょうか?一昔前は、金属のブラケットしかなく、金属色(銀色)で見栄えが悪かったのですが、現在では、透明なブラケット(素材はプラスチックとセラミックスがあります)がありますので、歯の色とほとんど変わらないので目立ちません。
カレーを食べて黄色くなるのは、プラスチックです。セラミックスは、全く変色しません。どうしても、装置が見えるのが困るのでしたら、歯の裏側に装置をつける”全く見えない矯正装置”による治療も選択肢としてはあります。矯正治療に精通した歯医者さんなら、いろいろな材料、方法を知っていますので、患者さんの希望に沿った治療方法を提供できるはずですが・・・。
八重歯についてなど女性 20代 2003/01/04
- Q
- 私は以前1本だけ八重歯があり、それを抜歯しました。その結果、笑った時の唇の形が左右対称ではなくなり、いつも、半笑いのような状態になってしまいました。八重歯を再生することは可能でしょうか?また、インプラントは可能でしょうか?
- A
- 本来、若い方の八重歯は、矯正治療できれいな歯並びにするのが基本です。しかも、片方の八重歯だけを抜いてしまうと、左右の対称性が失われますので、やってはいけない治療です。
ただ、現状を出発点として考えるとなると、インプラントで人工的に八重歯を作ることは可能です。
八重歯がどの位置にあったかが不明ですし、抜歯すると、周囲の歯が動きますので、抜歯前の歯並びに完全に戻すのは難しいと思います。
もう一つの方法としては、抜歯した歯の反対側も、少なからず八重歯になっているのではないでしょうか?矯正治療で左右対称の口元にすることも考えられる治療です。いずれにしても、先の尖った糸切り歯は、口元のバランスという点では、キーになる歯です。左右対称にすれば自然な感じに戻ると思いますが・・・。
八重歯について女性 5歳以下 2002/12/06
- Q
- 八重歯についてのご質問なのですが、人工的に八重歯をつくることは可能なのでしょうか?費用の事など、詳しく教えて頂けると嬉しいです。
- A
- ”人工的に八重歯を作ることは可能なのでしょうか?”とのご質問ですが、矯正治療で八重歯を治すことをしますので、逆の処置をすれば、八重歯をつくることは可能です。ただ、わざわざ悪い歯並びにすることはまず行いませんが・・・。
人工的に八重歯を作る方法は、他にもあります。条件が整っていれば、入れ歯やブリッジでも行えます。目的や意図が不明なので、具体的に話しにくいのですが、永久的に八重歯にしたいのですか?それとも、一時的に何か理由があってでしょうか?
費用については、歯科治療の範囲内の保険治療ではできないことは、はっきりしています。歯を動かす矯正治療で行うのか、入れ歯やブリッジで行うのかによってかなり違ってきますが、数万円~数十万円くらいでしょうか?
”人工的に八重歯を作る”といった必要性、シチュエーションがどうしても思い浮かばないのですが・・・???
受け口でコンプレックス女性 20代 2002/12/04
- Q
- 私は小学生の頃、近所の歯科医で「噛みあわせが悪い。矯正したほうが良い」と言われました。母にそのことを言わず、そのまま放っておき現在に至ります。少し受け口で、年を経るにつれひどくなっているように思います。そんなにひどい受け口ではないのですが、コンプレックスになっています。
現在はそれが原因と思われる体調不良などはありません。ただ、噛みあわせが悪いのか、物を食べる時に、モグモグと下顎が大きく左右します。質問ですが
①このような受け口は治るのでしょうか?
②大阪に信頼できる歯科医院はありますか?また、紹介などはお願いできるのでしょうか?
③よく、大学病院の口腔外科のほうが、一般の歯科医院より良いと聞きましたが、どうでしょうか?
④もし、紹介なしに大学病院の口腔外科に行けば、きちんと治療していただけるのでしょうか?
⑤もし、体に不調がある場合でも保険等は効かないのでしょうか?どの程度でしたら、保険は効くのでしょうか? - A
- ”若干の受け口傾向があり、噛みあわせが悪い”とのことですが結論からいえば、矯正治療をすれば、適正なかみ合わせにできますので、モグモグ下顎が動く感じもなくなると思います。
受け口が気になっているのでしたら、是非治療を受けられたほうが良いと思います。受け口の方にもいくつかタイプがあります。下顎が前方へ出しすぎていたり発育しすぎているタイプと、上顎の劣成長が著明なタイプ、両者が混在したタイプの大きく3つあります。受け口の程度によっては、外科的な処置をしないと標準的な顔貌に改善されない場合もあります。どのタイプでどの程度の受け口かわかりませんので、どのような治療方法が考えられ、選択できるかまではお話できないのが残念です。
一つ気になった点があります。”年を経るにつれてひどくなっているような・・・」というところです。上顎の成長は、思春期にピークをむかえ15~17才でほぼ成長が終わります。下顎の成長は、同じペースで持続的に成長し、17~19才くらいに成長が終わります。但し、下顎には、晩期成長というのがあり、特に家族歴(父母、祖父母、兄弟に同じタイプの歯列不正の人がいる)がある人は著明で、20才を過ぎてからもじわじわと成長が続き、受け口が重度になる傾向があります。ですから、現状を放置していると、さらに歯列不正が進む可能性があります。
①については前述しましたように可能です。治療方法については、精密検査、診断を下してからでないとお話しできませんが、昨今の矯正技術、材料の進歩は目覚しいものがあり、軽度の受け口の場合、ほとんど外科処置は必要ありませんし、年齢的にも全く問題ありません。
②についてですが、”信頼できる歯科医院・・・”というのがなかなか難しいです。技術的にすばらしい先生を紹介しても、患者さんと歯科医の相性が全く合わず、とんでもない先生を紹介してくれた、と文句をいう方がいます。特に矯正治療の場合、自費治療になりますので、治療費にかなりばらつきがあります。使用する材料、テクニックによって治療費もかわってきます。治療期間も年単位になりますので、信頼できる歯医者さんを患者さん自身で見つけることが、大事ではないか、と思います。矯正治療を膀標している歯科医院へ少なくとも2~3箇所行かれてみてはどうでしょうか?相談した時の相手の受け答えが随分違うはずです。質問に対して的確に返答が帰ってきて、治療方法の選択肢もいくつか提示してもらえるようなら、技術的に優れていることになります。予算にあった治療法も選択できるはずです。信頼できる歯医者さんは、自分の目で見つけれるはずです。
③についてですが、かみ合わせについての専門は、口腔外科ではなく、補綴科になります。大学病院と一般開業医、どちらが良いか、といえば、何を基準にするか、によってかわってきます。大学病院にはたくさんの歯科医がいます。新米からベテランまでいます。大学病院は、細分化されていますので、自分の専門分野に関しては優れた人が多いのですが、自分の専門外については日頃ほとんど関わっていません。開業医の場合、口の中の疾患をトータルに考えますので、まず、開業医に行かれてみて、特殊な専門的な治療が必要な場合には、大学病院を紹介してくれるはずです。
④についてですが、正直いって大学病院へは、開業医の紹介状を持って行かれたほうが、良いと思います。前述しましたように、大学病院は、専門分野に細分化されています。かなり難しい症例については興味を示して熱心に治療してくれると思いますが、簡単に治療できる症例については、開業医へ行ってほしいというのが本音だと思います。例えていうと、単なる風邪で大学病院へ行ってもほとんど相手にされないのが現状です。新米の歯科医が担当医になる可能性が高いです。紹介状があれば別ですが・・・。
⑤についてですが、矯正治療、つまり歯を動かして歯並びをきれいにする治療に関しては症状がどうであれ自費になります。但し、奥歯のかみ合わせが悪く、顎の調子が悪いといった場合の顎関節症の治療は保険の適応になります。ただ、その場合も歯を動かす行為は、全て自費ですので、保険で治療するのであれば、補綴(歯を削って被せにして噛みあわせをかえる)的にせざるをえません。前歯も一緒です。歯自体を動かす行為は、全て自費です。あと受け口の方で、外科的に下顎の一部を削るのは保険の適応になっています。
治療した歯の噛み合わせがおかしい男性 30代 2002/11/28
- Q
- 先日、下の奥歯にひっかかるところがあったので、近所の歯医者に行きました。虫歯があるので治しますねと言われ、治療してもらったのですが、治療後からその歯ではでうまく噛めなくなりました。
また、後ろの歯との間に食べ物が挟まってわずらわしくもなりました。食べる時以外は特に支障はないのですが、気になってしょうがありません。どうすれば良いのでしょうか?
- A
- 口の中というのは、非常に敏感にできています。噛み合わせについては、10μ(0.01㎜)単位での調整が必要とされています。治療した歯でうまく噛めないということは、その歯と噛みあうべき対合の歯とあたっていないと考えられます。また、歯と歯の間にものが入るというのも、わずかなすき間があるからです。
歯と歯の接触は、50μ以下に調整しないと、ものが詰まるなどの不快症状が発生します。ですから、再治療が最善の方法ということになります。治療してもらった歯医者さんに相談してみて下さい。歯医者サイドの責任ですので、再治療してもらえるはずです。