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第550回 誤嚥性肺炎とは

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肺炎は、がん、心臓病に次いで、日本人の死因で3番目に多くなっています。肺炎は原因によっていくつかの種類に分けられますが、高齢者が注意したい肺炎の一つに「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」があります。
私たちが食事をするとき、口から入った飲食物や唾液は、のどから食道を通って胃へと送られます。この一連の流れを「嚥下(えんげ)」といいます。
呼吸をするときには鼻や口から取り込まれた酸素が気管を通じて肺に運ばれます。通常この2つの通路を使用して生活しているのですが、誤って気管の方に唾液などが流れ込んだ場合にはむせ込んだり、咳をして排除しようとする機能が働きます。
しかし、老化や脳神経疾患などで飲み込む機能が衰えると排除する能力が落ちて気管に唾液などが入りこむようになります。これが「誤嚥」です。そして、飲食物や唾液に含まれる細菌(主に、歯周病関連細菌)が肺まで到達して炎症が起きた状態を、「誤嚥性肺炎」といいます。
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誤嚥には、食事中に飲食物をうまく飲み込めずにむせるなどして本人や周囲の人が誤嚥に気づく「顕性誤嚥」と、知らないうちに唾液と一緒に口の中の細菌を飲み込んでしまう「不顕性誤嚥」があります。不顕性誤嚥は食事のときだけでなく、睡眠中などに起こることもあり、食事のときは問題なく飲み込めている人でも、眠っているときに誤嚥を繰り返している場合があります。
就寝中の誤嚥は本人も周りの人も気づかないうちに繰り返されるため、誤嚥性肺炎を発症する可能性が高くなります。 


予防法
誤嚥(ごえん)性肺炎を予防するためには口腔内の細菌数を減らすこと、食べたり飲み込んだりする機能を回復させて、誤嚥しにくくすること、全身の免疫力を高めることが必要です。
入れ歯を使用している方は食事をした後に入れ歯を外さずそのままお口の中にいれたままずっと生活していたり、清掃が不十分な状態が続くとよくありません。
また虫歯をそのまま放置していたり、歯周病の歯がある状態も細菌が増える原因になります。
特に介護が必要な方の場合は、うまくお口の中の清掃ができない事があるのでしっかり食べかすが残っていないかなどのチェックが必要になります。
そして飲み込む機能を改善する為にお口の中のマッサージをしたり、飲み込む訓練などをすることも効果があります。
また食事もパサパサしたものや噛み切りにくいものほど飲み込むことがむずかしく、また汁気の多いものはむせやすい傾向がみられます。パサつくものにはとろみをつける、噛み切りにくいものはあらかじめ小さく切る、汁気の多いものは少量ずつ盛る…など食べやすくする工夫が大切です