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私たちかかりつけ医である開業歯科医は、毎日子供さんから年配の方まで幅広い年齢の方の口の中を観察している。
できることなら歯科医による治療介入は最小限、あるいは全く行われることなく「予防」だけで口の健康が保たれることが理想であることに異論はなかろう。

多くの歯科医院のHPには、「予防」に力を入れています!「予防」中心の歯科医院です!「予防」のためのさまざまな取り組みを提案できます!など、さも「予防歯科学」に精通していることを強調したキャッチコピーが見受けられる。

しかし、実態はどうであろうか?歯科疾患の「予防」といっても、分野は多岐に渡る。歯科医学のさまざまな分野の知識がなくては、軽々しく「予防」に特化している歯科医院とは言えないはずである。現実問題として言えば、全ての方が加齢や基礎疾患の発症・生活習慣の変化などとともに口腔の環境は刻々と変わっていく。それを全てコントロールすることなど不可能である。

少なくとも「予防」に精通したした歯科医院とは、知識が豊富な高品質な治療ができる歯科医が常駐していることが前提であることは確かである。なぜなら、「治療」の先に「予防」があるからで、治療が終わらずして「予防」には移行できないからである。

今回は、小児期の「予防」に限定して私見を述べてみたい。上図の図A,B,Cは、当クリニック初診時の女子(6才1ヶ月)の顔貌と口腔内である。ちなみに虫歯はゼロである。「予防」を謳い文句にしている歯科医院の歯科医にこのケースについて聞いてみたい。この時期に何をすべきなのか?何もしないのならその根拠は?そして今後この子と、いつ?何を?どのようにして?向かい合っていかなければいけないのか?と・・・

ブラッシング指導、おやつ・食事指導も大事だが、図A~C歯列不正を、もし担当医が見て見ぬふりをしたとしたら、とても”罪”なことである。」
この子は、6本の先天性欠如歯(生まれもって永久歯が欠損している)という状態でした。どのような咬合を確立・獲得させていくのか?多角的な知識と臨床力が必要になります。

かかりつけ歯科医としては、ある意味ハンディーを背負ったこのお子さんの健全な顎・顔面の成長発育の育成への起動修正や不適切な歯列・歯の位置の改善の手助けを長期に渡って、真剣に向き合わなくてはならない。

図Dの上図2枚が6才1か月、下図2枚が適材適所でスポット的に治療介入し経過観察し続けた13才2カ月の状態である。

小児期に限ったことではないが、「予防」の範疇に、歯列不正への的確・適切な介入が”ないがしろ”にされている多くのケースが存在するのではなかろうか。
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このお子さんは、8年間(6才1か月~14才1カ月)に渡ってフォローアップしている。どの時期にどのような考え方でどんな治療介入を行ったか?は次回お話します。上図のように、パノラマレントゲンを6カ月~1年毎に撮影し、適宜咬合誘導して起動修正していきます。上図の一番左下の4枚の口腔内写真が最近(14才1か月)の口腔内の状態です。臼歯部咬合、アンテリアガイダンスなどは安定しています。

歯列不正・歯の位置の問題は、老若男女 確実に歯の寿命を縮めます。審美面は当然として機能面から考慮して治療の初期段階で解決しなければ、必ず問題が再燃します。

2011年度は、当クリニック主催で「GPによる本格矯正マスターコース(全10回)」を歯科医対象に行っています。特殊な難症例を除いて、矯正治療はかかりつけ歯科医が行うことにより、臨床への取り組み方・考え方が大きく変わることを実感して頂いています。継続した規格性のある資料採得の大切さ、検証することの重要性についても折に触れて話しています。

他分野にも精通したGP(一般臨床家)が矯正治療に携わることの患者への恩恵は計りしれません。

次回は、上記ケースの各論について話してみたいと思います。下図はその一部になります。
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