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私たち歯科医が行う仕事の多くは、細かな作業の連続である。
大部分の器具類は、既製品、つまり歯科器具、器材を扱っているメーカーのカタログから注文し、使用している。

しかし、既製品の器具、道具では、どうしても治療がやりずらいことによく遭遇する。
”もっと先が別の方向に曲がっていたら?もう少し小さいサイズはないのか?”など、こだわりの仕事をしようとすればするほど、既製品の限界をいつも感じている。

ところが、実は世間(歯科業界全体)には出回っていない器具類が結構存在するのである。
公には販売されていないが、時代の先駆者的歯科医、こだわりの治療を行っている歯科医が、オリジナルで器具を作製していて、非常に使い勝手の良いものが一部の歯科医に出回っている。

私の場合、フロンティア的な何人かの日本人歯科医、ロス在住の友人である歯科医などを通じて、入手できる環境を整えている。
その一部をご紹介します。

図Aは、歯や骨を削る時に使用する先の丸いバーです。
一見変哲もない形状のようですが、拡大したところが図Bです。目盛りが付いているのが”みそ”です。ホールを形成する時に、削りながら深さを確認できます。ありそうでない商品です。私の知る限りカタログ上で見たことはありません。

図Cは、”コンデンサー”と言って、先が円柱状をしています。あらゆる外科処置、特にインプラント治療の際の骨補填剤を扱う時に威力を発揮します。径、長さの異なった4種類が用意されています。図Dのように、目盛りが付いているものは非常に珍しいはずです。グリップするところの形状も工夫されていて、滑りにくく、重さも適度です。日本では入手できないし、個人輸入もできない器具です。
1250
A
11103
B
3107
C
1099
D
図Eは、矯正治療でワイヤーを曲げたり、口腔内に装着する時に使用するプライヤー類(ペンチのようなもの)です。図Fは、図Eの先をアップにしました。頻用されている、ユーティリティー、ライトワイヤー、ツイード・ループ・フォーミング、ジャバラック、ピンカッターなどのプライヤーで、矯正医なら毎日必ず使用する器具です。

ところが、実は上記に挙げたプライヤーの持っている機能を一つに集約したプライヤーが存在します。図Gがそれなのですが、非常によくできた形状をしています。もちろんカタログ上はどこにも存在しません。1本で5役を担ってくれます。とても便利で、手放せない一品です。

図Hが先の部分を拡大したところです。ワイヤーの屈曲から、口腔内への設置、結紮までこれ1本で事足ります。

490
E
577
F
651
G
934
H
”より良い仕事をしようとすれば、使い勝手の良い道具が必要”という当たり前の発想から生まれた器具を2、3ご紹介しました。

自身のスキルを最大限発揮するには、”それなりに道具へのこだわりを持っていたい”と思うのは、自然に沸いてくる感情ではないでしょうか?