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第57回 ”リニューアル”への思い

今回は、画像なしです。ご勘弁下さい。現在の心境を綴ってみました。

8月10日より、待ちに待った当医院の増改築が始まりました。
思えば、構想は5年以上前にさかのぼる。開業以来、”小さな医院だからできること、小規模な歯科医院だからこそ、一人一人の患者さんと直接向き合えること”に、ある種こだわりを持って診療していた。ホームドクターを目指すなら当然のことと思っていた。

本来、医療の原点は、社会奉仕、社会貢献にある。利益だけを追い求めるビジネスとは全く異なる発想で行われているはずである。当医院へ来て下さる患者さんに対して全力を尽くし、満足して頂けるよう努めること、そして口腔を中心とした長年に渡る健康への手助けをする、という使命の下に仕事をしている。

自医院が大きくなればなるほど、経営的な戦略、手腕が必要になり、全てを把握することは不可能となり、私は医院全体を統括するマネージメントが中心になり、現場(診察)からどんどん離れていくことを意味する。そのため、私の開業当時のビジョンからはどんどん遠のいてしまうと思っていた。

私は、何より診療している時が一番好きである。知力、技術を振り絞り、悪戦苦闘しながら診療に熱中している時が本当に好きである。
経理的なこと、直接指導できる範囲を超えたたくさんのスタッフを抱えた場合の手腕には正直自信がなかった。

しかしここ数年、現実問題として、小さな歯科医院ではできないこと、狭い空間では不可能な医療設備、医療機器がどんどん開発されていくことに危機感を感じていたのも事実である。

日々進歩している医療技術、設備等に柔軟に対応するためには、それなりの箱(ハード)の大きさと、それを十分使いこなせる自身と引けをとらない有能なスタッフが数多く必要であることを、ここ数年ずっと考えてきた。

自分一人と少人数のスタッフでできることの限界、年齢とともに必ず衰えていく体力、そして現在の当医院内の狭い空間で質の高い歯科医療が行えているのか?など毎日ストレスと向き合いながらの診療を行うようになっていた。

スタッフの意見を何度も聞いた。当医院は岡山市の中心部にあり、余分な土地が隣接してあるわけでもなく、診療室を大きくすることは、物理的に不可能でした。

医院自体の移転を何度も検討しました。ここ数年、候補となっては消えていく場所は数知れません。完全に行き詰っていました。

そして、1年半前、大きな決断をしました。医院に併設している当医院の駐車場を増築の場所にすることです。患者さんの利便性を考えれば、確実にマイナス要素です。将来的にも、医院前に駐車スペースを確保することはできません。医院と駐車場は50m離れましたので、足腰の不自由な方の車での来院が非常に困難となりました。お詫びし続けるしかありません。

何か新しい事をしようとする時には、必ずメリットとデメリットが生じます。リスク要因、不確定要素もたくさん発生します。しかし、全てを解決してからでは、前に進みません。何も変わりません。

決断の時期と、最終的には自身で決めました。スタッフからは、今のままでも十分仕事は楽しいしやりがいがある、今来て下さっている方に精一杯のおもてなしをすればいいのでは?、との意見も多数ありました。

”ビジネスの世界で言う事業を拡大するのではない”と言い返しました。”与えたい医療、受け入れられるべき医療の提供がこの空間ではできなくなったんだ”と。

半年後に当医院の何が変わるのか?と聞かれれば、”何もかも”です。いや私と現スタッフの面々だけは変わりませんが・・・。
5年越しの構想です。設計には1年以上かけました。正確には、未だ決定していないエリアがあります。そして、10年以上先のビジョンを見越してのレイアウト、発展できうる要素を残しての改革です。

名ばかりではない最新の医療設備、医療機器を取り揃え、まずは”今までと全く違う発想、診断法を確立したい”と考えています。診断法が変われば、治療へのアプローチもおのずと変わります。今まで見えなかったこと、わからなかったこと、あいまいにされていたことの多くの部分が見えてきます。安全で確実、安心な治療へ導いてくれるはずです。治療中、治療後の評価も、多角的に行えます。転医、紹介されてきた多くの難症例にも対応できる体制ができればいいとも考えています。

医療人としての本道に磨きをかけ続けることが、歯科医が本来目指すべき”社会貢献、社会への奉仕”につながると思っています。
”プロフェッショナルなホームドクターになりたい”という夢を常に持っています。

具体的な増改築による変更点については、折に触れてお話させて頂きます。