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第47回 韓国での研修の成果は・・・

今回は、診療から少し離れた話をしてみたいと思います。
2005/1/25~27にかけて、韓国へ「インプラント矯正」の研修に行ってきました。
平日医院を3日間休診にして、患者さんへ多大なご迷惑をおかけしたことを、この場をかりて、心からお詫びいたします。

韓国「慶北大学」といえば、矯正治療を手がけている歯科医ならだれもが認める、最先端のインプラント矯正が行われているところです。症例数、実績とも、世界的にトップクラスです。

名実ともに第一人者であるKyung教授を始め、Park助教授によるレクチャー、実習、オペ見をして頂き、心から感謝しています。
そして、何よりこの機会を与えて頂いた日頃よりご指導して頂いている宮島教授には、さらなる感謝、感謝です。

「インプラント矯正」の概要については、歯並びのページの ”第30回 最新の治療法(インプラント矯正)”をご覧下さい。

今回始めて踏み入れた私の韓国に対する印象も踏まえ、韓国歯科事情も少しお伝えできれば、と思っています。
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韓国の玄関口、インチョン(仁川)空港です。あいにくの天候で残念でしたが、広大な敷地を利用して建設されており、規模、施設の充実度などを考慮すると、関空など足元にも及ばない、という印象でした。
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ターミナル内は、どこもゆったりとしたスペースが確保されていました。
掲示板には、韓国語、英語に加え、日本語が必ず表記されていることから、いかに日本からの渡航者が多いかが窺えました。
ここで、ちょっとしたトラブルが発生しました。今回の研修は、韓国第三の都市であるテグ(大邸)で行われたのですが、予約していたインチョン→テグの国内線が雪のため飛びませんでした。、
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そこで急遽、KTX(新幹線)にて移動することにしました。インチョン空港で座席の予約を取ったのですが、英語で話しかけるより、日本語のほうが通じやすかったのには、正直驚きました。
インチョン→テグを約一時間40分、最高速度300㌔、東京⇔名古屋くらいの距離でしょうか。乗り心地がよく、ドリンクの無料サービスもあり、快適でした。
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普通席とグリーン席の料金の差がほとんどないため、グリーン席に乗車しました。日本円で5800円くらいでしたので、距離を考えると、日本の新幹線の半分くらいの料金だと思います。座席はというと、はっきりいって、グリーン席にしては簡素で、日本の新幹線のグリーン席のほうが断然良いです。座面の横幅が狭く、リクライニングも座面が前方向へスライドするタイプなので、足元が狭くなるため、評判は悪いのではないでしょうか?
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新幹線の乗車前に、ソウル駅の一角にある食堂で夕食をとりました。定番の石焼ビビンバを注文しました。7000ウォン(約700円)でした。食料品の値段を見る限り、韓国の物価は、日本より2~3割低いのではないでしょうか?さすが本場、結構辛かったです。
キムチが3種類小鉢で用意されていて、おかわり自由でした。この食堂のおばさんもそうでしたが、一般の方には、英語で話しかけるより、意外と日本語の方が通じやすかったです。Could I have some water?(お水を下さい)といっても通じませんでした。
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今回宿泊した”Inter-Burgo Hotel”です。付属施設(屋内プール、スポーツジム、エステ、各種レストラン・・・)からいっても、超リッチなリゾートホテルでした。日本から正規ルートで予約すると、一泊30000円を超えるのですが、教授の紹介ということで、半分弱の宿泊費で済みました。有難うございました。
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慶北大学の玄関です。学部の建物と病院は別棟になっていました。テグ中心部に5年ほど前に新築されたそうで、10階建てくらいのとっても立派な建築物でした。
ホテルまでの送迎、懇親会などでは、医局員の方々にも大変お世話になりました。みんな英語はもちろんのこと日本語もそこそこ話せるのには、びっくりしました。少しは韓国語を勉強していけばよかったと後悔しています。
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ハングル文字にいたっては、さらにチンプンカンプンです。今度来るときまでには、少しはマスターしなければ、失礼になると痛感しました。
研修ですが、外来でのKyung教授によるマイクロ・インプラント埋入の手際の良いシステム化された術式には感心させられました。慶北大学での埋入本数は、もうじき10,000本に達するそうです。すごすぎます。
韓国は、IT産業だけでなく歯科業界でも、日本をとっくに追い越している、そんな思いを強く感じました。
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Kyung教授によるレクチャーの一コマです。ケースプレゼンテーション(症例報告)を多く取り入れた、私たち臨床家には、とてもわかりやすい講義でした。もちろん、全て理論に裏づけされた治療ですので、自身が日々行っている治療法の良し悪しの判断基準の再確認ができましたし、今後の矯正治療の向かうべき方向の指針についても述べられ、とても興味深く聴講させて頂きました。
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Dr.Parkによるレクチャーは、インプラント矯正治療の基本的な概念に始まり、治療上必要かつ重要なポイントについて解説してくれました。Q&Aにも丁寧に答えてくれる姿や、温和な話ぶりから、医局員の信頼は厚い、と確信しました。
医局員の方に後で聞いたのですが、医局内での人望の厚さはだれもが認めるとのことでした。
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実習風景です。模型を使用して、インプラントの埋入を行いました。Kyung教授自らデモをしている光景です。
朝9時から夕方までの研修の予定だったのですが、急遽夕食の懇親会後もやることになりました。何と、夜の11時すぎまで実習を行いました。講師、そして医局員の方々には、本当に頭の下がる思いです。実習後、私たち十数人を見送るために、タクシー乗り場までKyung教授は足を運んでくれました。仁徳あふれる行動には、敬服の一言につきます。
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翌日の朝、ホテルのロビーで撮らせて頂きました。”マイクロ・インプラントのさらなる改良に取り組んでいる”、という話や、”私たち臨床家からの要望や実績データをどんどん出して欲しい”と言われていました。
個人的には、”アドバンス的な研修を近いうちにしてほしい”とお願いしました。とにかく、気さくな方で、俗語的に言えば、「お高く止まっていない」という印象でした。
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サーティフィケート(修了証)を頂きました。実益もさることながら、大いなる刺激を受けた研修でした。明日からの日々の診療に即活かせる内容で、宮島先生、Kyung先生、本当に有難うございました。
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今回、私とともに西日本地区から研修に参加した4名の先生方です。皆大阪の方なのですが、歯科医としてその地域で十分に成功を収めた方々でした。私と同じ40才で3つの医院を経営している、”自称セミナーマニア”のM先生や、もともとはインプラント治療を専門にしているのですが、還暦をすぎて、矯正治療という新たな分野に取り組んでいるバイタリティーの塊のT先生、また、アメリカ、ドイツ、メキシコなど世界中を飛び回って新しい技術を積極的に取り入れているY先生などと3日間共に行動し、多くの時間ディスカッションしました。たくさんのエネルギーを頂きました。有難うございます。これからも機会あるごとに、親交を深めていきたいと思います。
あくまで一般論としてお話しますが、日本の場合、矯正治療の費用に関してだけでいえば、大学の付属病院での治療費が一番安く、開業医の方が高いという認識を歯科医も患者さんも持っていると思います。症例にもよりますが、傾向としては確かにあります。

ところが、韓国の場合、大学病院での矯正治療費が一番高いそうです。その背景には、ブランドイメージがあるそうです。治療自体のレベルも高く、開業医の場合、スキルにばらつきがあるそうです。慶北大学の場合、矯正科への入局は3人と決まっていて、とても人気があるので、エリートの集団だよ!と笑って医局員の方が言っていました。

有名な韓国人タレントの歯並びは、皆完璧です。さらに、ヨン様を始めみんな真っ白です。日本の有名人はまだまだという印象です。お国柄といってしまえばそれまででしょうが、”国民の美意識の高さ”という側面でも、一歩遅れをとっている、という印象を受けました。

海外へ出て行くことにより、グローバルな歯科事情の流れの一端が窺えますし、日本人以外の方から見た日本の歯科事情の捉えられ方にも触れることができます。とても有意義で刺激になります。

開業医の場合、どうしても日々の診療に追われがちで、視野が狭くなってしまいます。

これからも、臨床の幅を広げる意味で、機会を見つけて、積極的に海外へ出て行こうと思います。